福島県楢葉町にあるJビレッジ。
福島第一原発から20kmにあるこの広大な施設は、今や事故処理にあたる諸関係各所の最前線基地となっているのは周知のことでしょう。
現在の状況を知らせる陸自関連のサイトの写真に、昨年自分が撮ったJビレッジの写真の位置と、ほぼ同方向を向けて撮られたものがあり、以下に比較してみました。
サッカーピッチにまで、装甲車、戦車、作業車、バスなどが埋め尽くされ、ものものしい雰囲気が伝わってきます。
事故現場に向かった作業車は、帰着後、この敷地内の屋外で放射線量のスクリーニングを受け、ジェット照射による除染が行われています。
Jビレッジのクラブハウス内にある宿泊施設は、現場で尽力されている作業員の方々が入りきれないほどの状況となり、施設内の廊下にまでマットをひき寝床にされています。
毎回大変な緊張を強いられる作業に追われ、現場からバスでクラブハウスに戻って来るとスクリーニング、放射線が作業着を廃棄する必要のない規定値以下だったとしても、とても慎重に脱衣され、気が抜けない様子です。
毎日、事故現場からJビレッジに持ち込まれる放射線をめぐっての、格闘があります。
破損した燃料棒や核燃料の除去に、これから少なくとも5年はかかり、廃炉となり原発が更地になるまでには10年以上かかるといわれています。
今後も長らくの間、Jビレッジは前線基地としての役目を果たさなければならないのでしょうか。
他に最適地は近隣にはありません。
サッカーを見にJビレッジに行ったときには、自転車に乗りヘルメットを被ったJFAアカデミーの生徒とおぼしき少年少女が、クラブハウス近くの坂道で行き交うと必ず笑顔で「こんにちは~」と挨拶してくれたのを思い出します。
坂道の沿道の桜はこれから開花でしょうか。
いまはあののどかな光景が、なつかしくも思えますーー
でも、
アカデミーの生徒たちは元気です!
活力がみなぎっています。
なでしこリーグのリレーブログに、元浦和レッズのDF田口選手の娘さんが日記を記していました。
彼女はアカデミーの第1期生として年長、今年もチームを牽引しがんばる様子です。
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田口 ひかり
東日本大震災から1カ月がたちました。
私たちJFAアカデミー福島が活動していた楢葉町は、避難地域にあったため、選手それぞれの実家に一時帰宅していて、アカデミーでの活動はしばらくできずにいました。
しかし、4月5日、中学1年7名の新たな仲間を迎え、静岡県御殿場市の時之栖で再びアカデミーとして活動することができるようになりました。
私たちが御殿場市で再活動できるのは、時之栖の方々をはじめとする、たくさんの方のご厚意のおかげです。
雄大な富士山と、美しい桜の花々に囲まれた、素晴らしい環境の中でサッカーができることに感謝し、サッカーにも、勉学にも精進していきたいと思います。
そして、今までずっとお世話になってきた楢葉町をはじめとした福島県の方々、震災によって大きな傷をうけた方々に少しでも勇気や希望を与えられたらと思います。
思いもよらぬ形で迎えるチャレンジリーグですが、JFAアカデミー福島は、自分たちのためにも、そして『福島』のためにも、精一杯戦います。
JFAアカデミー福島は、明日、なでしこチャレンジリーグEastの開幕戦です。
AC長野と対戦、南長野運動公園総合球技場で14時からのキックオフです。
来週24日(日)には、東京都西が丘サッカー場でリーグ戦を行います。
日体大と対戦は14時キックオフ、
観戦予定にしています。
その精一杯のプレーを見に行きたいと思いますー