INAC神戸vs浦和レッズレディース 雑感 | うらじょ

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■プレナスなでしこリーグ第16節■

INAC神戸VS浦和

2010年10月17日(日)13:00キックオフ・

ホームズスタジアム

<試合結果>

INAC神戸 1-0 浦和レッズレディース

     (前半0-0)

(得点)

得点者:85分高瀬


<メンバー>

INAC神戸

GK/1海堀あゆみ

DF/2宮迫たまみ、 3坂井優紀、 16小野鈴香、 13中島依美
MF/6那須麻衣子、 8田中明日菜、 14米津美和、 11櫨まどか

FW/9川澄奈穂美、 10高瀬愛実
SUB/5DF柳井里奈、 18DF角田英子、 14MF高良亮子、 11FW小川志保


浦和レッズレディース

GK/山郷
DF/土橋、 矢野、 西田、 熊谷
MF/堂園(77分岩倉)、 庭田、 柳田、 岸川
FW/北本、 荒川

SUB/小金丸、 森本、 藤田、 後藤


観客1,101人



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(得点場面)

後半40分、INAC神戸の中島が、浦和陣右サイドラインそばからゴール前にクロス→ヘッドをあわせた高瀬→ゴール右隅にゴールが決まる。


[雑・感想]

キックオフから序盤、INAC神戸が全体的に絞って前から積極的に仕掛けてくることは予想できましたが、しかし前半が半ばを過ぎても、攻め上がれる機会が少なく封じ込まれている浦和。

INACとの対戦では、いつも手こずりながらも前半から突破口を見出して得点に結び付けるのだが、今回は様相が違います。


浦和のボール回しに、少しの余裕も与えず、プレッシャーがかかる。

バックスラインとGK山郷の間で、ちょっとした隙や躊躇した様子をみせると、すかさず逃さず突いてくる。

何度かゴール前でヒヤッとする場面がうかがえる、危ない。


対戦のたびに執拗なINACではあるけれど、前へ出て行く推進力がさらに強くなった感じがします。

出足よくカットし、ボールキープに勝る。それでいて攻撃に人数を割いて積極的に仕掛けるわけではないが、全体が圧力をかけ選手間の距離を狭く保っているから、浦和は押し上げられない。



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なにより意外だったのは、前節ベレーザ戦と違い両サイドバックを入れ替えてきたこと。

左サイドバックを柳井里奈から宮迫たまみへ、右サイドバックを角田英子から中島依子へ。

前節、ベレーザの左MF伊藤香菜子や右SB近賀ゆかりに再三ブレイクを許していた両サイドが、隙を見せない。


中島が、ボールの展開によって、右サイドタッチライン際にポジショニングすることを意識して確認していたのを何度か見受けました。

INACは、浦和の左サイド外側から裏を取られての失点を、今季の駒場でのリーグ戦になでしこカップの準決勝でも許しています。この急所の修正を、しっかり図ってきたとうかがえます。

中島は前に出て積極的な守備に、運動量豊富に右サイドハーフの米津をオーバーラップして攻め上がる姿勢もみせる。

ベレーザ戦には右サイドハーフとして精彩ない様子で70分で途中交代した中島が、浦和戦では違った印象にみえました。

後半になって左から熊谷がいい形で攻め上がるチャンスが何度かありましたが、先んじてサイドの主導権を握っていたのはINAC。

浦和は、右からも効果的な攻撃の糸口を見出せない。サイドハーフに入った堂園が、下がった位置での対応が多く、サイドバックにいる土橋も含めて攻め上がる連携がみえません。

ハーフタイムに、状況をよく見ている精通した方と話をした際、荒川が前線に出たとき、堂園との距離が開いて

うまく絡んでいない点を指摘していました。

このところの右サイドハーフの1stオーダーは岩倉のはずなのに、最近ベンチ入りもしていなかった堂園の抜擢には疑問はあったが、なにがしかの理由があったでしょうか。

岩倉のコンディションの問題か?、堂園はしかし6月に行われた駒場ホームでのINAC戦でも、今季唯一の先発出場をしています。

後半中頃の浦和の決定的なチャンスー左からの折り返されたハイボールに、ゴール前で堂園が競り勝ってヘディングを合わせたが、ワンバウンドで右ポストを叩き、ルーズボールはさらにゴール中央まん前にバウンドしているも、押し込むことが出来なかった惜しい場面もありました。



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荒川には、センターバックがしっかりマークに付いていて剥がれない。

荒川がペナルティエリア前後に入ると、センターバックの小野鈴香とマークを受け渡していた171cmの坂井が見ていました。

長身で体格のいい坂井に、ボンバー頭ぶん背が対等に見受ける荒川は、じつは166cm・・

それでも荒川はしっかりキープはしているけれど、くさびからなかなか思うように前を向けず、パス出しにも苦慮していた様子でした。

前節では、JEF千葉のセンターバック阿部麻美(165cm)に主マーカーとして付かれ、今回はさらに厳しく対応されていました。ゴール前で絶対にフリーにさせないINACの強い意志が伝わってくる感じ。


やはり、どこの対戦チームも荒川に徹底したマークが付くようになりました。

荒川が孤立、加えてサイドが塞がれると、攻撃が単発で厚みがなくなってしまう。浦和と対戦するチームが狙いとするところではあるでしょうか。

後列からの攻勢は、INAC守備陣をこじあけられずペナルティエリア前で埋没してしてしまうことが多く、シュートに至るまで繋がらない。

後半、INACのMF田中明日菜が攻守に目立った印象。フリーに中盤で攻め上がる場面も。


川澄、高瀬、相変わらず前へ強い。てこずるぶん、INACの攻勢の時間が続く。


浦和も岸川がよく競り勝って中盤で踏ん張っていた。DFでは西田が危ない場面で食い下がってINACのフィニッシュを防いでいた。


後半、ぺナエリア内の攻防からぺナ前が空いての熊谷のミドルはGK正面。

先制されてから熊谷が、左サイドをエンドライン際まで持ち上がって折り返し→ぺナエリア内で最後は柳田が左へシュート→GKが飛びはじき出すファインセーブ、惜しかったです。


右サイドが空くようになり、何度か土橋が攻め上がることができた。やっぱり右サイドの柳田→土橋に担うところは大きいのかー

浦和が後半、いい形がみえてきていただけに残念だが、結果をしっかり受け止めて次に繋げる敗戦にしてもらいたいです。




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INAC神戸が、この一戦のために、相当浦和を研究してのぞんできているのは明白でした。

絶対に負けられない意気込みのもとに。


ホムスタでの有料試合2連戦目、会場前では大道芸やフリマ、野菜直売の出店、入場ゲートでは、これまでのアウェーINAC神戸戦にはない数の多くのスタッフが観戦客を出迎えていました。

赤いレプリカの私にも、笑顔で「こんにちは」と挨拶してくるスタッフのおじさんたち、お弁当やスーツのアンケート(抽選でスーツプレゼント!)を勧める下部組織の選手やおばちゃんたち、INAC神戸の歩んだ歴史を掲示するコーナーや、来場した観客に抽選で当たる豪華景品も陳列して、「お客様」を迎えていました。

試合前とハーフタイムにはフラダンスショーが催され、INAC側の応援には多くの子供たちが集って黄色い歓声が響きました。



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昨年の神戸ユニバの浦和戦ホームゲームは、観客が約300人で閑散としていてINACの応援が存在しませんでした。試合後のエールの交換が無しで終わるさびしいものでした。

来場者に抽選で当たる景品は、1位が野人net.がスポンサーだったので岡野のレプリカ、以下は選手のサインカードやグッズなど、今年に比べてささやかな印象でした。

応募者が少なかったこともあり、当選して試合後に景品を受け取りに行ったのですが、景品があり余っていてほとんど引き換えに来ている形跡が見受けませんでした。

たった一人の来客であった自分に、それでも笑顔で丁重に応対して頭を下げてくれたINACの選手たちに、大きな感謝を覚え、ライバルチームではあるけれどこれから頑張ってもらいたい気持ちが募りました。



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今回は、多くの方々が賑やかなホームゲームづくりに賛同して尽力し、勝利を導いたとも思えます。

敗戦は、もちろん悔しかったのだけれども、INACを地元神戸で盛り上げていこうという機運がうかがえたことは、昨年の状況を目の当たりにしていただけに来たかいがありました。


ぜひTASAKIに代わる西の強豪として君臨してもらいたい。だからこそINACに負けない浦和であることは、今後の全日本女子選手権以降に示していかなくてはなりません!






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試合終了後の浦和の選手たちは、一様にうつむいた様子で応援場所に挨拶に来ました。


「下を向くな」「次頑張ろう!」「切り替えていこう!」

自分も含め、スタンドから励ます言葉を投げ掛けました。


「あと2つ、勝ちゃいいんだよ!」

傍らで大きな声で叫ぶ女性サポの言葉に、主将の柳田がこちらを見て、いくぶん取り直した表情をみせながら大きく頷いていました。





浦和レッズレディースには、まだまだ自力で勝ち取るのぞみが残っています。

守護神の山郷のぞみだっていますからー



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試合後、ホムスタの大きな屋根とスタンドの隙間から西日が漏れてきて、浦和側のベンチ横の一隅を明るく照らしていました。



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暗く影に覆われていたピッチに出来た光の中を、出番がなく次のマリーゼ戦に期する思いであろう藤田のぞみも引き上げていきました。