荒川直人の週末シネマ
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アウトレイジ

北野武監督最新作『アウトレイジ』を観る。近年のアート系路線から一転して娯楽活劇へと回帰する見事な一作だ。“全員悪人”のキャッチコピー通り、登場するヤクザたちの抜け目なさが魅力的で、最後の最後まで目が離せない。凄惨なシーンも多いが、過剰な暴力が突き抜けた笑いに昇華する手腕はさすが。予想を絶妙に外す北野演出に唸る。物語は関東一円を取り仕切る暴力団組織「山王会」を構成する組同士の抗争を描く群像劇だ。任侠や闇ビジネスという非日常の面白さもあるが、組織に振り回される個人の悲喜劇として普遍性を獲得している。【平日シネマ100614】

ローラーガールズ・ダイアリー

ドリュー・バリモア初監督作品『ローラーガールズ・ダイアリー』を観る。1970年代に日本でもブレイクしたローラーゲームが米・テキサスで再燃。17歳の少女ブリスは、両親が望む型通りの将来に疑問を抱き、偶然出会った未知のスポーツに身を投じる。そこには“女らしさ”という既成概念を超える新しい世界があった。構造はよくある物語だが、主人公の気持ちに寄り添うエモーショナルな演出が絶妙で、勝利を期待されないチームの復活と自信のない主人公の成長を重ねた語り口が素晴らしい。劇場を出る足取りが思わず軽くなるキュートな快作!【週末シネマ100529】

ブレイク ブレイド/第一章 覚醒ノ刻

Yahoo!コミックで人気を博す吉永裕ノ介原作の劇場アニメ『ブレイク ブレイド/第一章 覚醒ノ刻』を観る。全6話のエピソードを単館系で公開する第一弾だ。人々が魔力を操る時代、その力を持たない異端児ライガットは発掘された古代巨兵と出会い、かつての親友と対峙する戦乱の渦に巻き込まれる。CG全盛の昨今、重量感あふれるロボットアクションを手描きで挑むこだわりがいい。原作を丁寧に映像化しており、ファンには歓迎されるだろう。とはいえ物語は序章にすぎず、登場人物の紹介に終始。国家間の対立関係や設定の描写不足が気になる。【平日シネマ100426_改訂】

プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂

ジェリー・ブラッカイマー製作『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』を観る。父王殺しの汚名を着せられたペルシャの王子ダスタンは、真実を探求する旅の渦中で、時間を操る秘宝の争奪戦に巻き込まれる。類型的な冒険ファンタジーかと思いきや、イラク戦争を揶揄する描写をスパイスにして、勧善懲悪の難しい時代の物語をうまく成立させている。近年話題のパルクールを発祥とするアクション演出も素晴らしく、往年の名作ゲームを見事に映画化した。同じパルクールを取り入れた人気ゲーム『アサシン クリード』に似ているところはご愛嬌。【平日シネマ100528】

プランゼット

3DCG映画『惑星大怪獣ネガドン』で衝撃のデビューを果たした粟津順監督最新作『プランゼット』を観る。西暦2047年、突如現れた地球外生命体FOSの襲来により、人類は滅亡の危機に瀕していた。6年後、残存する日本方面軍は最終決戦で起死回生を計る。技術的にハッとさせる場面も多いが、前作のような昭和特撮路線を離れて、世界観に混乱が見られる。気になるのは人物の描写で、“不気味の谷”に陥ったキャラクターデザインと脚本の稚拙さが二重につらい。監督はオマージュの向こうで描くべきビジョンを失ったのではないか。次回作に期待。【平日シネマ100524-2】

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