荒川直人の週末シネマ -3ページ目

アリス・イン・ワンダーランド

ティム・バートン監督最新作『アリス・イン・ワンダーランド』を観る。ルイス・キャロルの童話「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」を原作に、19歳になった子供以上・大人未満のアリスが、数奇な運命に導かれて再びアンダーランドを訪れるというその後の物語だ。“バートン版アリス”と聞いて破天荒なドラッグムービーを期待したが、彼もまた子供以上・大人未満に成長したのか、本編は家族で楽しめる冒険ファンタジーに仕上がった。もう少し毒や暗闇があってもいいと思うが、役者とCGキャラが違和感なく共演する映像の魔術を堪能。【祝日シネマ100505】

劇場版 銀魂 新訳紅桜篇

江戸の町で起こった連続辻斬り事件。その裏には、妖刀・紅桜と、銀時のかつての盟友の存在が――。2003年、週刊少年ジャンプでの連載開始と同時に絶大な人気を獲得、2006年にアニメ化され、テレビアニメの常識を覆す面白さを展開してきた『銀魂』。その『銀魂』が、満を持してスクリーンに見参!(パンフレットより転載)。というわけで、『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』を観る。冒頭からラストまでシリアスなドラマとギャグのつるべ打ちが楽しい。ファンムービーであることやワーナー・ブラザース映画の配給すらネタにしてしまう姿勢が最高!!【祝日シネマ100503-4】

フェーズ6

致死率100%の伝染病が蔓延する世界で、生き残りを賭けた人々を描く『フェーズ6』を観る。かつてこの種の映画はSFというジャンルに属したはずだが、鳥インフルエンザの流行から着想を得たというドラマは極めて現代的な視点で、その事実に戦慄する。物語は4人の若い男女が感染を恐れて逃避行し続けるロードムービーで、極限状況の人間性をあぶり出す心理サスペンスとして展開する。監督は初の長編デビュー作となるパストー兄弟。派手なアクションこそないが、『ゾンビ』で知られるジョージ・A・ロメロ作品を連想させる面白さだ。必見!【祝日シネマ100503-3】

アイガー北壁

ドイツの山岳映画『アイガー北壁』を観る。1930年代にヨーロッパ最後の難所と謳われたアイガー北壁に挑む男たちの実話に基づく壮絶な物語だ。二人のドイツ人登山家の死闘を、幼なじみの女性記者を交えながら描く。ドキュメンタリー調の手持ち撮影も本作ではピタリと決まり、断崖絶壁で死と隣り合わせた緊張感を見事に捉える。俳優の真摯な演技や雄大な映像美も見どころだが、個人的には臨場感あふれる音響の凄さを特筆したい。画面の外から響く台詞や効果のさりげない繊細さに、演出の確かな力量を感じる。心にハーケンを打ち込む衝撃作!【祝日シネマ100503-2】

ファンボーイズ

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』を観ずには死ねないという末期ガンの親友のため、スカイウォーカーランチに忍び込んで公開前の映画を観ようと企てるSWオタクのロードムービー『ファンボーイズ』を観る。熱烈なファンを自認するスタッフの自主制作から始まった本作だが、それでいて演出の甘さがなく、ハートフルコメディとして上質な仕上がりだ。トレッキーを含むマニアの偏愛ぶりをユーモラスに活写し、その面白さは『ギャラクシー・クエスト』に匹敵する。日本公開を署名活動で実現した経緯も泣かせる。拍手!【祝日シネマ100503-1】