How to fly・32 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想書庫です


苦手な方はお気を付けください





















頭の回転が速い彼にしては、理解するのに時間がかかっていた

何を言っているのか?という困惑から、なぜそんなことを言うのか?という疑問へ

疑問の答えを見付けたのか、何を言ってるのか分かっているのか?と呆れ、分かっていそうだと判断したらしく、また困惑を経てから驚きへ

目まぐるしく感情が入れ替わる

そして、今は



「…怒ってたと思ったのに急に泣いて、また変なこと言って…ばかなの?」



照れている

想いは少なからず伝わったらしい



「もごもご話すの、かわいいな」

「かわいくねーわ!」

「照れ隠しもかわいいし」

「だからっ」



風力は何から得よう?

腕力、知力、財力

どれも自信がない

今その身に持っている物で何か…



「笑力とかどう?」

「しょ…はい?なに?」

「笑う風で一緒に飛ぼうぜっていうお誘いをしてる」

「なにそれ、意味分かんないしっ」



意味が分からないのは俺も同じだ

飛ぶ意味だって飛びたい理由だって分かっていない

でも、なぜだろう、それでも飛べると思えてしまう



「分かんなくてもいいんじゃね?」

「はぁ?」

「飛びたいんだろ?いつか飛ぶんだろ?夢は叶える為にあるんだ、飛べるよ、飛ぼう!」

「あなたほんとになんなの…オチも無い、着地点も無い、全部ボケ倒しといて最後は丸投げとかもう…なんなの?なんなのー?もうほんとに…ワケわかんないっ」

「丸投げしてねーって、一緒に飛ぼうっていうお誘いなんだからさ」

「だからそれが丸投げだって言ってんの!もーほんとにめんどくさいんだからっ」

「それは初対面から何度も言われてるからさすがに自覚してるって、ごめんって、ここは一つめんどくさい俺と飛ぶってことでさ、どう?」

「…ぶはっ もうダメっ この人あほだっ あほすぎるっ くははっ あははははっ」



目の前で笑っている

壁の見えない彼が、とても素直に



「かわいいなぁ」

「ひひひっ ふははははっ」

「お前、かわいーなぁー!」

「あははははっ もうやめてぇー」



笑力で飛ぶ

確かに勢いで言ったことかもしれない

が、あながち間違いではないかもしれない




「好きだよ」



自然に口から漏れていて、言った本人が驚く



「俺も好きかもねー」



返答があったことに驚き、さらにその内容にもっと驚いた



「…今、今!なんて言った?!」

「好きかもねー?」

「おぉ?!マ、マジか!!」

「あなたには負けました」

「負けた?え?何に?」



いきなり勝負の話になってしまった?

愛の告白ではなくて?



「食い入るようにステージ見てたのも、その強い目線にも、無言なのに会話をしてるような気にさせられたのも、強気に押してくるのに素直に謝ったりするのも、妙なことにこだわるのも、ほんとにめんどくさい客なのに二回目も三回目もそのあとも…会いたいとか…はぁー、もういい、認めますよ」



よかった、勝敗に関することではなかった



「つまり、俺を、好きなんだな?」

「かも、ね?」

「そこだけ認めねーのかよっ」

「認めてるよー」

「好きって?!」

「かもって」



惜しい!

















つづく