Tempesta・1 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想書庫です


苦手な方はお気を付けください



















可もなく不可もない

不平や不満もない

なにかを強烈に求めるような欲もない



「眠いの?」「やる気あります?」


よく言われるけど、いつも眠いわけじゃないし、やる気がない時ばかりじゃない



生きることへのモチベーションが薄いのかもしれない

そんなことをぼんやりと思う日々に



「…でした、また来週♪」



突然降ってきた声



「また、来週…」



適当に流していたラジオは聴いているようで聴いていなかったのに

鼓膜の震えた回数を正確に数えられるほど鮮明に響いた



「うん、そうだよな、来週もがんばろ~」



素直にそう思ったことに驚いて、ソファから飛び起きる



「今の…なに聴いてたんだ?!」



慌てて番組表を探す



「終わったばっかだから…あった!」



パーソナリティは…



「二宮和也!」






「二宮和也でした、また来週♪」

「また来週ぅ~」



日曜の夜が、一週間を頑張った確認と、また来週まで頑張る力を貰う大切な時間になる



「どんな人なんだろ~?」



興味は好意へと育ち



「会ってみたいなぁ~」



確かな願望となる



スタッフさんに聞けば、頼めば、会うことは可能だったかもしれない

だけどそれはファンというものになってしまうようで出来なかった



好きです

どうもありがとう



それだけで終わるなんて、無理になっていた






木漏れ日が心地よく揺れる道



「いい天気だぁ~…んふふっ」



海に行く以外で天候を気にしたことがない俺が、散歩のついでに空を見上げてこんなことを言っている


二宮和也のおかげで何気ない毎日が楽しくなる



「また来週♪


ん?もう少し高いかな?


また来週♪


おぉ!似てきたぁ!」



ラジオを聴いている時はずっと二宮和也のことを想ってる

今は昼、しかも平日


声も聴こえないのに、二宮和也のことを考えてる



「これはもうアレだな、好き、だな…ふふっ」



声しか知らないのに好きだとか笑える

いや、185階に住んでんだっけ?

それは目立つわ~、そんなんマジで建ってたら探してみたいわ~



「日本に住んでる~、収録に通ってるっぽい~、多分関東のどっかに住んでる~、多分東京に住んでる~、ゲーム好き~、お金好き~」



歩きながら指折り数えていたら、会いたくて堪らなくなっていた






その日ものんびり散歩をしていた



「ありがとうございました」



聞いた瞬間、心臓と身体が飛び上がった


それほどその声は鮮やかに鼓膜を刺激した



「まさか…」



声を追うようにふらふらと進む

木立の奥、趣のある門



Cafe Canzone



「カフェ、きゃんぞー…なんだ?読めねーけど…珈琲屋?」



時代を間違えたような静かな佇まいから緩やかに漂う豆の香り


爪先立ちになって、庭を挟んだ先にある大きな窓を覗く



…居た



あの声がして、飛び上がって、すぐに振り返った時に見えた後ろ姿

うでまくりをした白シャツ

華奢な腕


細い腰に巻き付けた黒のタブリエ



彼が、あの声の主



「やった…見付けた…


二宮和也を見付けちゃったーっ!」



なぜ分かったのか、そんなことは説明出来ない


声が二宮和也だったから

ただそれだけだ
















つづく