トラワレの今・部長's episode9-1 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















権力という名の最後の切り札もあっさりと却下されて、ふにゃふにゃしてるニノを支えながら部屋を出た




まだ車も少ない道を走るタクシーの中



「これ、時間がある時に」



帰って来れたことが嬉しすぎて、すっかり忘れていた封筒を渡す

これも吟味に吟味を重ねた最重要案件、ニノと俺が暮らす部屋候補の間取り図



俺の引っ越しは春になるだろうけど、今から選んで決めておけば、ニノにはゆっくり準備してもらえるし

なにより今後の仕事に対するやる気に大いに関わってくるから、少しずつでも進めたい



一つ目の封筒には、ニノのプレゼンに近い物件を5つ

そしてもう一つには、俺のオススメ物件を3つ



「俺のイチ推しはねぇ、これかな」



一番こじんまりとした可愛い部屋を推称した

これならニノがなにをしていても見えるし、手を伸ばせばニノに触れるという理想的な…



「残念ながら却下です」



うわぁ~早いっ

でも大丈夫、広い部屋になったとしても俺がニノの側から離れることはないから



「んふふ」

「ふふふっ」



楽しみ過ぎて笑いが止まらないね






「ただいま~」

「おかえりなさーいっ」



当たり前のようにニノの部屋へ帰れる幸せ

当たり前のようにニノに迎え入れてもらえる幸せ



これが毎日の当たり前になるんだなぁ…



幸せがじんわりと身体に染み込んできて、また少し泣きそうになっていた時だった



「これ…どうしたんですか」



ニノの低い声が響く



「背中に傷が…しかもこんなにたくさん?!」



あ、しまった

幸せボケして隠すの忘れてた



「あー…うん、どこでついたんだろうね?」



なんとかして誤魔化せないかな?って、言葉を濁したんだけど

ニノは真剣に俺を想ってくれてるんだから、適当に言って逃げることは出来ない



「…ニノ、かな?」



そーっと、ニノに指を向けた


そしたらね、そこからはもう幸せのオンパレード




「大丈夫です、なにがあっても俺が居ます、俺が大野さんを守ります」



今までだってずっと守ってもらってたよ

目を背けたくなるような弱さを知った時も、優しくなれない時も、立ち上がれない時も、甘ったれた時も

どんな俺でもニノが全部受け止めてくれたから逃げずに頑張れた



「俺じゃ頼りにならないかもしれないけど…」



だから、そんなことあるわけないんだ

俺はずっとニノに寄りかかって、ずっと支えてもらってたんだから



「ありがとうニノ、すっごく嬉しい」



ニノが与えてくれる全てのものが愛

だからこの傷も、愛おしくて堪らないんだ




傷をつけたのが自分だと知ったニノは、少しだけ涙目になってしまったけど、すぐに気持ちを立て直してくれた

…のは、よかったんだけど、なぜか俺から離れるとか言ってる



「やだ、離れたくない」



俺を一人にしないで欲しい

ニノを一人にもしたくない



「ちょっとだけ!傷よりも嬉しいこと思い付いたから!今すぐあげたいの!」



ニノが居てくれれば他には何も要らないのになぁ…



「……分かった、待ってる」



ベッドに一人残されて、寂しさを紛らわす為に膝をぎゅっと抱えて待ってたけど


「智っ」

「ニノぉ…」


戻ってくるのがもう少し遅かったら「うわーん!」って泣いてたからね!