※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
今日も昼寝をたくさんした
カチッ
キー
昨夜と同じように、そーっと布団が持ち上がる
「おかえり」
腕に温もりを感じる前に、目を開けた
「…え……っ!!」
声にならない引き攣った息
驚かせないように静かに言ったつもりだったんだけどな
「おかえり、ニノ」
「ごっ…ごめんなさいっ!」
「ん?」
「寝て…寝てると思って!かっ…顔だけ見たくて!」
「起きてた、おかえり」
「そうなんだ!ただいま!おやすみなさいっ」
慌てて離れようとした腕を掴む
「抱きしめなくていいの?」
月明かりが微かに差し込む部屋
振り返ったニノは、この世の終わりみたいな顔してた
これを見るのは二度目…?
「…なん…で……」
「昨日も起きてたから」
「あ…あの!ごめんなさい!ごめんなさい!勝手にこんなことしてっ…俺…あのっ…」
「いーよ」
ニノは側に居たいって言ってた
俺のこと、好きだからって
こうして一緒に暮らし始めて、確かに側に居る時間は増えた
俺のヘタクソな飯を一緒に食ったり、おかえりって言ったり
でも、それだけ
いや、別にいいんだけど
…けど?
けど、なんだ?
「もうこんな…こと、しません
寝てる隙に入り込むなんて…本当に…ごめんなさい
だからもう少し…ここで、一緒に…暮らしたい…です」
悲しい声で俯いて、僅かな月の光にも耐えられないみたいに震える身体
このまま消えてしまうんじゃないかと思うほど
存在感が、無い
「いいって言ってんじゃん、こっちこい」
「わっ」
腕を引っ張って、ベッドの上に乗せた
「今度から堂々と来いよ
お前が頑張れるなら抱きしめるくらいお安いご用だし
あと、俺が起こすから、少しでも寝てけ」
頭を胸に抱えて、ぽすんと二人で寝転んだ
うん、やっぱりこれ
この温もり
ニノの体温
ホッとするなぁ…
「…っ…ぅ…」
短い息を吐いて、肩を震わせてる
「ニノ?」
「…大野さん…好きです…」
それは何度も言われてたから、何度も聞いてた
だけど、ただ聞いてただけだったのかもしれない
でも今は違う
胸にドスンとキタ
「おう、受け止めた」
「…ありがと…大好き…好き…すき…お…のさ……」
腕の中の重みが増して、すぅすぅと寝息が聞こえてきた
「毎回どんな気持ちで夜這いかけてたんだか…」
これを可愛くないと思える奴が、この世に居るとは思えなかった
つづく