二人に名前があるとしたら・9 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















パタン



遠くで控えめな音がした

ニノが帰って来たのかもしれない



その後の足音は聞こえないけど、また遠慮がちに歩いてるんだろう



「いつも頑張ってんだからそんな気使わなくてもいいのになぁ…」



時計を見ると、夜とも朝とも言えない時間



すぐにおかえりって言ってやりたかったけど、今の俺は温もりの正体を見極める探偵

グッと我慢して寝た振りを続ける



シャワーの音


ドライヤーの音



それからしばらくの間、ニノの音はしなかった




「寝たのかな…?」



寝てる間にニノを抱きしめてるなんて、やっぱり勘違いだったのか?

それとも寝惚けて、俺が抱きしめに行ってるとか?

それならニノからリアクションがあってもいい気がするけど…

どちらにしても、こうやって起きてても無駄か?



「はぁ…どうすっかな」



ベッドで横になったまま、カメラでもセッティングしようかと考えてると


カチッ

キー


部屋のドアが開く音がした



普段ならカチッとキーはほぼ同時に鳴る

それが別々に聞こえるってことは、その音を最小限に抑えたいのかもしれない



空気が僅かに揺れて、人が近付いてくる気配がする



こんなの、もし寝てたら気付くわけない




キシリ…と、僅かにマットが揺れた



寝た振りって結構ムズい

ちゃんと目を閉じてるけど、なんかドキドキして身体が動いちゃいそう



しかもこれってなんかニノを騙してるような気がするし…



色々考えながら、それでも頑張って探偵を続けてると、覚えのある温もりがそーっと布団の中へ入ってきた


腕をゆっくり持ち上げて、その中に小さく収まった身体は



いつもありがと…


大好き…



集中してないと拾えない声で、言葉を落とした




ゆっくりと肩が上下してる


深く息をしてるのが伝わってくる



時間にして10分か20分



布団に入ってきた時と同じようにそーっとベッドを降りて、部屋を出ていった





パタン



次に聞こえた遠くの音は、玄関が閉まった音



「もー行くんだ…」



起き上がって、腕を見る

残ってるのは、朝まで残っていたあの温もり



貴重な睡眠時間をこんな夜這いみたいな真似で潰すなんて




「バカだなぁ…」

















つづく