※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
「そうですか、そうですか」
「じゃ、そゆことで」
さっきの部屋へ戻って、こっちはいいかんじに収まったことをおじいちゃんに報告した
「つまらない物ですが」
マネージャーらしき男はもう居なくて、代わりにこの前家まで来た奴が居た
これまた重すぎな手土産を渡されそうになったから、手をポケットに入れる
「いらねーよ」
「改めてご挨拶に伺いますが、うちのタレントがお世話になりますので」
「世話なんかしねーし、頼まれたから一緒に住むんじゃねーから」
「…そうですね、大変失礼しました」
「ニノ、もう帰れんのか?」
俺の後ろにくっついてたニノを振り返ると、涙は止まってたけど真っ赤な目をしてた
「まだ…ある」
「そんな顔で出来んの?」
「ラジオだから…大丈夫」
「じゃあ、がんばれ」
「うん」
それからあっという間に準備が整って、ニノとの生活が始まった
「ただいまー!」
「おかえり~」
「たっ…ただいまぁーっ!」
「だから、おかえりってば」
「ふふっ…ふふふっ」
疲れすぎてるのか、妙にテンションが高い
「なんだよ、気味悪りぃな」
「大野さんからおかえりって言われちゃったっ!」
「言うだろ普通に」
「元気出ちゃうな~、癒されちゃうな~、頑張れちゃうなー!」
「はいはい、座れ、飯にすっぞ」
「め…めしぃー?!」
「言っとくけど、旨くないからな」
「めーしっ!めーしっ!わぁーいっ!」
ニノは小さなことでも、すごく喜んでくれる
こんなに素直に喜ばれると、この次もやってやろーかなって思う俺は
自分で思うより単純なんだろう
「まっ…ずっ!」
味見という行程があることも知らなくて、なんとかなるだろう精神で作った初めての晩御飯
グロテスクな見た目通りエキサイティングな味に仕上がっていた
「駄目だこりゃ」
「おぶ…」
「おい、無理すんなよ」
「…ぅぐっ…はぁー、美味しい!」
「は?」
皿に乗っけてテーブルに並べた俺が言えることじゃないけど、食い物として成立してない
その味覚はどう考えてもおかしい
これは確実に、不味い
それなのにニノは、箸で持ち上げたらズラズラーっと全部くっついてくる黒い塊を迷うことなく頬張った
「ちょ!おい!」
もぐもぐ、もぐもぐもぐ
額に汗浮かべながら食べ続けてる
「そんなの食ったら身体壊すって!」
「ふふっ…おい…ぅぶっ…おっ…」
「バカ!飲み込むな!吐き出せ!」
膨らんでる頬を掴んだら、喉がゴクンと鳴った
「おいしーっ」
涙目でそれ言われても…
「おかわりは?」
「んなもんねーよ」
「えー?もっと食べたかったのに~」
なんでそんな嬉しそうなんだよ
なんでそんな楽しそうなんだよ
「ニノ」
「はい?」
「お前は…ほんとに…」
マジで可愛い奴だ
つづく