※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
「キレるなんて珍しいじゃん
なに騒いでたの?」
「……休み…無くすって言われたから」
「で、ちんこ切るって?」
二人きりになった途端、泣きそうな顔になる
多分、俺の前でしかしない顔
「そんで?仕事も辞めんのか?」
「無くても…仕事は出来るので…大丈夫です」
「はぁ…」
余りの極端さに思わずため息を吐くと、ニノの肩が震え始めた
「さっきも聞いたけど、お前なにがしたいの」
「大野さんと…一緒に居たい…」
「だからって周り困らせてどーすんだよ
ちんこだって、取ったり付けたり簡単に出来るもんじゃねーんだぞ」
「こんなの…大野さんと居られるなら…」
「だからさ、そーじゃなくて」
「だって!大野さんと一緒に居られる方法がこれしか思い付かないんだもん!
もう…思い付かないんだもん…」
飄々と見えるけど仕事熱心で
テレビの中ではキラキラで
さっきは大人に対して怯むことなく噛み付いて、一人で戦ってた
でも俺の前だとそうやって泣くんだ
捨てられた子犬みたいな顔で、この世の終わりみたいな顔して泣くんだな
「一緒に暮らせばいいの?」
「…え?」
「そしたらニノは泣かずに、仕事も続けんのか?」
「でも俺…まだ男だから…」
「それ関係ない」
「そ…なの?」
「どちらかと言えば…」
言ってから気付いた
逃げ道だ
どちらかと言えば…なんて感情じゃない
顔が見れなきゃ物足りなくて
笑顔が曇ってたら心配で
泣いてたら放っとけなくて
根拠も無いのに衝動でこんなとこまで来て
…これで言い訳とか見苦しいだろ
「どちらかと…言えば…?」
涙が零れる目で、不安そうな顔で、言葉の先を待ってるニノ
それを、抱きしめたくなってる俺
「好きだよ」
そう、これはもう好きなんだ
「どちらかと言えば…とかでも…好きって……ぅっ…すっごく…うれし…」
両手で顔を押さえてるけど、なにかを隠したいわけじゃない
これは現実か?って、疑ってんだ
回転の速い頭でも処理しきれないくらい嬉しいんだな…
「ニノ」
一心に俺を想って、一心に俺を望んでくれてる
こんな可愛い奴、誰にも渡したくねーよ
「好きだ」
ビクッて身体が跳ねて、腕がだらーんと落ちたと思ったら
「ふぇーん」って泣き出した
つづく