二人に名前があるとしたら・4 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「ここか?」



名刺に書いてあった住所に建ってるビル



電話に出れたってことは仕事中じゃない

ってことはテレビ局じゃなくてこっちの可能性が高い




「関係者以外は立ち入り禁止です」

「関係者だよ、そこどけ」

「申し訳ございません」

「どけって言ってんだろ」



受付で止められて、モタモタしてる間にガードマンっぽいのも出てきた



…面倒くせぇな



30メートル先に見えるエレベーター

ドアが開いて、数人が降りてきて、ドアが閉まりかける…そのタイミングでダッシュした



「ちょっと君!」

「こら待て!」



鈍臭い大人をチラッと見てから、ドアが閉まる寸前のエレベーターへ滑り込んだ




「何階がいいかなぁ~」



下からさっきの奴等が追い掛けてくるだろうから、このまま最上階まで行ったほうがいいかも?

一番大きい数字を押すと、身体にグンと重力を感じた





音もなくドアが開いて、降りる前に顔だけ出した



「よし」



左右を見て、人気のない事を確認して、廊下へ足を踏み出した



「どの扉にしよっかな~」



居る気がする

なんとなくだけど

ニノが居るって感じる




「ここか?」



偉そうな雰囲気を漂わせる扉の前

最低限の礼儀としてノックをしようとした腕を止めた



ギャーギャーと言い争う声が聞こえてくる

嫌だとか、離せとか、辞めるとか



「さすが俺、冴えてるなぁ~

しっつれーしまぁーす」



聞こえないだろうけど、一言置いて、扉を開けた





「ざんけなよ!休みあっただろ!」

「そんなことするなら休みなんかやれるわけないだろ」

「だから!それなら辞めるって言ってんだよ!」

「我儘もほどほどにしなさい!」

「うるせぇ!離せ!」



キレた目で怒鳴るニノと、宥めるのに失敗してるマネージャーらしき男

そして、それを困ってる振りして面白そうに眺めるおじいちゃん



「なんじゃこりゃ」



ポツリと呟いた言葉を拾ったおじいちゃんがこっちを見た



「あらら」

「どーも」



一応、頭を下げる



「…大野さん?!」



やっと気付いたニノは、後ろから羽交い締めにされた状態で顔を歪ませた



「君はなに?なんでここへ入れたの?」

「ニノと話があって来たんですけど~」

「はいはい、なるほど、そうですか」



ニノから離れたマネージャーらしき男が素早く受話器を上げたのを、おじいちゃんがその歳とは思えない素早さで制した


この人、ただ者じゃねーな



「ニノくん、この人と話す?」

「……」



手を握り締めて黙ってるけど、さっきまでのキレてる空気はもう無くなってる



「ニノ、ちょっとこい」



腕を引っ張ると、おじいちゃんが右方向を三回指した



それへ小さくお辞儀で返して、廊下へ出る



右はエレベーターの方向…で、三つ目の部屋


応接室と書かれた扉には鍵はなくて、引っ張ってきたニノを押し込んだ

















つづく