※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
罪を犯すと、罰が与えられる
それがこの国の制度であることは分かっていた
だけど、俺はその罰を受けなかった
あの時は、あの方法しかないと思っていたから
いくつかの矢印があって、それに従って進んでいくと
会議室のような部屋の前に着いた
順番を待っているような列が出来ていたけど
俺はなぜかそこを無条件でパスして、先へ進んだ
-特別室-
そんな名前が付けられた部屋に入ると、黒いスーツを着た人が居た
顔が青い
体調、悪いのかな?
「名は」
「秀一」
「なぜここへ来たか、分かるか」
「死んだから」
極簡単な質疑応答の後、体調の悪い黒スーツに案内されて
禍々しい大門の前に来た
「ここで待て」
「は~い」
返事をして、そういえばなんで顔が青いのか聞こうとして振り向くと
今進んできた来た道は無く、黒スーツも居なかった
代わりに、今度は赤い顔した奴が居た
今度は熱があるのか?
ここは体調悪い奴ばっかだな
ドーーン!!
腹にパンチでも喰らったのかと思うほどの地響き
もしくは、頭に落雷が直撃したかと思うような空気の揺れ
あまりに衝撃が大きくて、それが声だと認識するまで少し時間が必要だった
「秀一!!」
「耳…痛いし…」
「この馬鹿たれが!!」
これを発していたのはあり得ないくらいデッカイオヤジ
そして、そのオヤジにあり得ないくらい叱られた
犯した罪に対しても叱られたけど
自分を殺めた罪に対しても、何時間も、何日間も叱られ続けた
俺が出来る精一杯の事だったけど
これだけ叱られると、間違えていたのかもしれないと、思った
デカイオヤジは散々叱った後に、これからのことを俺に選ばせた
「すぐに転生するか、この道でのんびりするか
秀一、さぁ!どうする!」
転生ってことはすぐにまた生き返るってことだよね
それは、少しだけ…しんどいかな
「俺はここでのんびりする」
「あい承知したー!」
地響きを伴った声
それが空へ吸い込まれると、デカイオヤジは消えて、ずっと側で見張ってた赤い奴も消えた
「はぁ~、疲れたぁ」
立ち続けて棒のようになった足を投げ出して座ると、辺りは黄金色に輝く草原へと変わっていた
どこを見ても、どこまでも草原
「のんびりと言ってもねぇ…」
ここには何も無い
ゲームもないし、お菓子もない
水槽も、テープレコーダーもない
…やること、ないじゃん
つづく