本日もひっそりと診療中です・2 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「先に送っていただきました問診票を拝見しました」

「あ…はい」

「一人で悩みを抱えるのは、辛かったですね」

「…いえ」

「私は大野さんの心と身体、そしてここを出た後の生活をより良い方向へと導くお手伝いをしたいと思っています」

「はい」

「幾つか質問をさせていただきますが、答えたくないものに対しては無理して答える必要はありません」

「はい」

「大野さん」

「はい?」

「肩の力を抜いて?」

「…え?」

「またコチコチになってます」

「あぁ…ははっ…つい緊張しちゃって」



大袈裟に肩を上下して見せると、大野さんは笑いながら同じく肩を上下させた

なんだか可愛い人だなぁ



「大丈夫、このクリニックへ足を踏み入れた時点で大野さんの問題は半分解決しています」



この人は幸せになれる

俺には、その確信がある



「それでは早速質問させていただきますね」

「お願いします」



はい、お任せください





「性に対しての…例えば、幼い頃に同意のないセックスを強要された等の記憶はありますか?」

「…え?」



すぐに答えられる質問から始めて5分が経過した


ここまでは至極順調


言葉に詰まるとしたらこの辺りから



「これは一部の方に見られる傾向なのですが、意識的にそこへ戻ろうとする、もしくはその記憶が戦慄過ぎて追い求めてしまう、ということが考えられます」



強く心に残る出来事は、後の行為に影響が出やすい


良かろうが、悪かろうが、度を越せばどちらも同じ



「えっと…ない、と思います」

「なるほど、添えられていた診断書も拝見しましたが…

うん、そうですね、機能に問題があるわけでもないですね」

「…はい」



この質問に入ってからも視線は必要以上に泳がない


瞳孔に乱れもない


無意識のトラウマもなさそうだ



うん、よかった


いつもここが一番の難関だからね




「倫理としては、いかがでしょう」

「倫理?」

「常識ですとか、世間の風潮ですとか、ご自身の中にある正当性に対しての抵抗を感じますか?」

「抵抗は…あると思います」

「例えば、私が男を好きだと言ったら、この診察を拒否しますか?」

「…えっ?」

「自分だから抵抗があるのか、自分を含めた全てに抵抗があるのか、ということです」



思考と身体が直結している場合、機能に問題がなくても、思考が無理だと判断すると身体も同じく無理になる

この人は思考を重要視しているようには感じない

直感タイプなら、一つの壁を乗り越えるだけで楽に進める



「全て…ではないと思います」



コーヒーを一口、コクリと飲んで言った



「先生が男を好きでも、何も特別とは思いません」



言葉と雰囲気に濁りがない

素直で正直な人



純粋な人なんだな…

















つづく