部屋の中・11 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















月日:日曜日
場所:都内
時間:12時~24時
目的:相手次第
追記:細身・色白



送信




外で過ごしてると、あの部屋は幻だったんじゃないかって思う



でも足を向ければホテルは悠然と建ってるし

身体にはカズの感触が残ってる



「置いて帰るとか…置いてかれるとか…寂しいにも程があるだろ」



もう忘れることも出来ない









部屋へ入る前に、もう一度「承認」の文字を確認した



「12時15分から24時…」



せっかくの日曜日なのに、日の出と共に目が覚めた



返信が来てからワクワクして、ソワソワして

ゾクゾクして…



対面するまで相手は分からない

だけど、カズに決まってる



一度深呼吸してから、チャイムを押した





「…あれ?」



充分な間を置きながら三回目チャイムを鳴らしたけど、反応がない


俺が15分だから、カズが先に待ってると思ったのにな



カードキーを差し込んで部屋へ入ると、やはりそこに人の気配はなかった



「待つ側だったのかな?」



両手に持っていたゲームやお菓子をテーブルに置く



「ふぅ~」



今日は優しくするんだ



のんびり過ごす中でカズを知って、俺を知ってもらって

次は、部屋の外で会う約束をしたい




15分が経った



「カ~ズ~


は~や~くぅ~」




30分



「カズ…?」




一時間経っても、部屋のチャイムは鳴らなかった




「なにかあったのかな…」



気が変わってキャンセルしたなら

ROUGEから連絡が入るはず



誰にも邪魔されたくなくてオフっていた携帯の電源を入れたけど、そんな知らせは来ていない



「カズ…どうした…?」



いつまで経っても鳴らないドアを、見つめ続けた






窓から射し込む光がオレンジ色になって、それもすぐに消えた



「カズ…」



この名前以外、なにも知らない

迎えに行くことも、探しに行くことも出来ない

ただここで、待つことしか出来ない



秒針がノロノロと動いてる



カズと過ごす一時間は驚くほど短いのに




「あと二時間か…」



せっかくの日曜日に、こんな豪華な部屋で一人きり



初めからそのつもりならもう少し快適に過ごしようもあったのかもしれないけど

ゲームはカズがやるかな?と思って持ってきただけで、俺は興味がないし

カズと乾杯したいから酒も開けてないし

カズと食べたいからルームサービスも頼んでない



「ちっとも優しく出来なかったから、会うのが嫌になった…?」



来ないと諦めて、帰ればよかったのかもしれない

そう判断するには充分な時間があった




「来るか、来ないか


待つか、帰るか…」



賭け事はよく分からないけど


この場合、どちらに賭けても負けそうな気がした

















つづく