部屋の中・12 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















カチリ



鍵が解除される音がした

空気が微かに揺れる




「ただいま」



迷いのない足音と、どこを切り取ったとしても、どこにも当てはまらないふざけた挨拶


姿が見えて「おかえり」なんて、俺もふざけた挨拶を返した



だってさぁ…

ずるいんだよ



「なんで泣いてんの」



俺を視界に入れた途端、そこから動かなくなった




「なんで…居るの…」

「居るよ、当たり前じゃん」

「だって…」



ただいまとか言って

そこに希望を持ってたくせに



涙を拭わないカズに代わって、俺の胸で濡れた頬を受け止めた




「すごい…待たせたのに…居るとか…」

「承認、来たし、来る方に賭けた

来てくれてありがと、カズ」




残り時間60分を切る直前



カズは来てくれた






「なんか、身体…熱くない?」



いつものようにスマートにここへ入って来たのに

抱きしめてる身体が熱い



「熱?具合悪いの?」



それで遅れたとか?



「…走ったから」

「走った?カズが?!」

「…なにその反応、俺が走ったら駄目なのかよ」

「急いで来てくれたんだ?」

「別に…急いでないし」




仕事だったんだって



なにかあったのかと思って心配したよって言ったら

それだけ教えてくれた



きっとどうしてもカズじゃないと駄目で、断ることも出来なかったんだろう

それでもなんとか終わらせようと頑張ってくれたんでしょ?

こっちはキャンセルも出来たはずなのに、そうしなかったもんね



そんなに俺に会いたかった?



俺は、すごく会いたかったよ





「ぅ…んっ」



急速に湿っていく胸が震えて

また強引なキスをしてた



なんで優しく出来ないんだろうって、自分で自分にがっかりしたけど


今日は、カズが俺の服を掴んでくれてた



「んっ…んん…」



俺と同じように背中に腕を回そうか迷って、やっぱり出来なくて


葛藤の挙げ句の服掴み



「ん…ぅん…ぁ…」



可愛い仕草も、甘い吐息と混ざれば色となる



俺を強引になせてるのは


やっぱりカズだ






「もう…いい?」

「……」



同意を求めたけど、いつものように困った顔をして言葉に詰まる



でもいつもよりいっぱいいっぱいに見えたから


それをYESとして受け取った

















つづく