餞 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。




こちらのお話は山様です。





















始めることよりも

終わらせることの方が難しい



貴方はそう言った






「…しょおくん」



悲しい顔して俺を呼ぶ



「どうした?」

「怖い夢…見た…」

「そっか…それは怖かったね

もっとこっちおいで」





始めたことに後悔はない

だけど、終わらせる方法が分からない






「しょおくん…」

「ん?」

「ありがとぉ…」




悲しい顔をしている智くんを言葉で励ますことは出来るだろう

もし、ここが嫌だとしても、引き留める言葉なら幾らでも吐くことが出来る



だけどさ、それを望まれてるかって言われたら


…自信ない



だからと言って「行ってこい」って、背中を押すことも俺には出来ない


いつか来る終わりが「今」じゃないなんて、誰にも決められない



貴方にしか、決められないから





「しょおくん…なにか…考えごと…?」



胸に抱えていた頭が少しだけ離れて

揺れる瞳が俺を見上げる



「心臓のトクトクが…ちょっと違う…」



自分が辛くても、他人を想うことは止めない

そうやっていつも、怖くても、人を見てる



「智くんのこと考えてた」

「…それでなんでトクトクなの?」

「すっげー好きだなって!」

「…んふふ、知ってるぅ」



智くんが笑ってくれた



見えない場所で泣いてるかもしれないけど

今の俺に見せたいのは、その笑顔なんだね



俺に出来ることは、その意思を受け止めることだけだ




「この前の特撮、楽しかったね」

「しょおくんがぁ…すっごくかっこよかったぁ」

「智くんのほうが格好良かったよ?」



どのポーズにも目が離せなくて


目の前にいる男との対決に負けて消滅してもいいって思うくらい


本当に格好良かった



「え~…しょおくんのほうがかっこよかったよぉ」

「じゃあ、どっちもかっこよかったってことで!」

「またやりたいな…」

「今度はみんなでね」

「またしょおくんとやるの」

「え?そうなの?」

「宿敵じゃなくてぇ…恋人なの」

「それは…」



若干生々しいけど、嬉しい特撮だっ



「でねぇ…かめはめ波ートぉー…するの」

「かめはめ…はーと?」

「必殺ハート攻撃だから…しょおくん、ちゃんと受けてね?」

「もちろん!喜んで受けるよ!


智くんのヒーロー見たいし!絶対似合うと思う!」


「えへへ~…はーとぉ」


「ハートね」



二人の手でハートを作って


二人で笑った




「俺は何役やろっかなぁ~」


「しょおくんはぁ…」



ヒーロー智を支える一番の仲間


いや、違うか


さっき設定は恋人って言ってた


だから…妻?


妻、いいね!



「ザーボンね」

「……ザーボンさん…ですか」

「にあう~」

「…あざます」



智くんの中で、すでに恋人設定は無くなっていて


俺は妻どころか最大のライバルでもなく


ぷんって居なくなっちゃう奴だそうです



地味に凹む



智くんがやれっていうならやるよ?


でもさ、せめてヒーロー智にやられる役がよかったなぁ~





「ん~…ねむく…なっちゃ…た…」



腕の中で、ふにゃっとした力の抜けた顔してる

怖い夢は、忘れられたかな?



「れんしゅ…しとくね…」

「ん~?」

「かめはめ…はぁ…と…」

「あははっ!うん!楽しみにしてる!」

「ね…」

「おやすみ、智くん」






選択肢がない、そうせざるを得ないから、仕方無く…ではない「終わり」を迎える為に



貴方が決める「終わり」についていけるように



今日も貴方を想う

今の、精一杯の想いで





















終わり




お粗末様でしたm(_ _)m



ありがとうございました!