叫んだ余波・5 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















皆が口を揃えて「幸せな空間だった」と言う



…本当にそうかな



世の中の道理として、幸せと不幸せはバランスを保って存在してる



明るければ明るいほど

そこに出来る影は、より深さを増していく



あの場では霞んで見えなかったかもしれないけど

確実に存在していたよ




…苦しくて泣いてる人が、いたんだよ






疲れきった顔で寝ているその横に腰を降ろす



「…大野さん」



なにを思っただろう



踊ってる時にオフになるなんてこと有り得ないけど

ターンした時に一瞬だけ捉えた顔は、少しだけ沈んで見えたんだ



先がないこの関係を、意味の無いものと感じただろうか



「格好よかったな…」



そのまま祝われる側になれそうだった



いつかそうなる事を覚悟していても

その隣に並んで幸せそうに微笑む奴に「おめでとう」なんて言えそうもない



あなたは一層眩しくなるばかり

影はより濃くなるばかり



そして、いつか、幸せなあなたを見失うんだ




「…好き」



これを、いつまで言えるかな



「大野さん…好きです」



いつまで言ってもいいのかな




苦しそうに歪む顔

指先で、そっと触れる



あなたを苦しめているのは、俺ですか?



「ニノ!!」



呼ばれたその顔は、恋人を呼ぶものとは思えなかった






「うるせぇな!忘れたって言ってんだろ!!」



居なくなれって思われても、今だけは無理

辛そうなあなたを一人置いてなんかいけない



「ニノの愛人に…なりたい」

「大野さんは、私の恋人です」



不毛な会話だね



気紛れに遊べればそれでいいって

そんな悲しい未来に「はい」なんて言えないよ











なにも話さなくなってしまった大野さん



見下ろす瞳には悲しみの色しかないのに

あなたへ跪くこの姿勢は、さながら愛の告白のよう



この手を取ってくれるなら

生涯の愛を誓うのに




隣に座った



この瞬間さえも笑い合えないなら

側に居る意味なんてもうないのかもしれない




「…離れましょうか?」



触れていた肩がビクッと震える


それはまだ望まれていない…?



「愛人…愛人って、なにをすればいいんです?」



あなたの望む通りにするから

その人生から俺を消してしまわないで…

















つづく