LOVEDOLL・21 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















こんな嬉しそうな笑顔で話される潤様を久しぶりに見る



…どうしよう、言い出せない

早く伝えないと駄目なのに




「そういえば、お前のとこの旦那様、約束の儀を交わしたんだって?」

「…えっ?」

「うちから祝いの品を贈ったって聞いたからさ」

「そう…そのことなんですけど!」



今だ!その相手が俺であることを言う好機だ!



「旦那様は俺と…」

「大丈夫だよ!

カズの居場所はここにあるから

そんな不安そうな顔するなっ」


「あ…」



あぁ…なんで言えないんだろう






一日、一日と、時は過ぎて

潤様と俺の、約束の儀の日取りが決まろうとする時がやってきてしまった







「雨だ…」



せめてあの青い空が見守ってくれていたら

旦那様を近くに感じられたのにな…




「潤様」

「ん~?」

「…お話が、ございます」

「おぅ、なに?」

「…約束の儀のことで」

「あぁ、な!そうだよなっ なんて言うんだろ?この胸が浮わつく感じ

いつかな~、俺は今すぐでもいいんだけど、周りがうるさいんだよ」



言わないと…



「…大変…有り難く、勿体無いことだと、思っておりますが…」

「どうした?」



今、言わないと…



「私が仕えます屋敷の旦那様と…

約束の儀を、交わしました」

「は?誰が?」

「私が、でございます」

「……え?」

「今の今まで言い出すことが出来ず…申し訳ございませんっ」



嬉しそうな潤様のお顔を曇らせたくなくて

必要とされた自分を手離すことが出来なくて

こんな間際まで、言い出せなかった




「そうか」

「…はい」

「契りは、もう結んだのか?」

「いいえ」

「結ぶのか?」

「…はい」

「…そうか」



潤様のお気持ちが萎んでいくのが見える



「…申し訳ございません」




雨が地面を強く打っている



誰が泣いているんだろう…?











「ただ今帰りました…」



潤様を傷付けてしまった

俺ごときが…


なんで…俺なんかが…




「和也っ 傘はどうした?!」



門をくぐると、軒下から旦那様の声が聞こえた



「…旦那様」

「すぐ温かい湯に…」

「旦那様っ」




俺なんか泣く資格もないのに

心臓がズキズキ痛くて…



旦那様の胸に、飛び込んでいた

















つづく