LOVEDOLL・22 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「和也…なにかあったのか」

「…旦那様…旦那様っ」



俺はこの方以外、お側に居たいと思えない…




その夜、事の全てを、お話した











「正式な日取りが決まる前に…先程、お断りいたしました」



旦那様は静かに頷きながら、俺の話を聞いていた




「松本家の当主に見初められるとは、大変な名誉だな」

「…はい」

「今日まで断れなかった…この時まで私に言い出せなかった理由は、他にもあるのか?」

「他…とは?」

「揺れていたのか?

私か、松本家の当主か」



…揺れていた?



「違います!俺には旦那様しか居ないです!」

「気を使う必要はない」

「そんなもの…使っていませんっ!」

「選ぶ権利はお前にある、今からでも遅くはない

ゆっくり考えなさい」



お膳には、全く手を付けていないのに

旦那様は静かに立ち上がると

食事の間を出て行ってしまわれた






「…なんで…やだ…」



早くお断りしないことが、旦那様に嫌われることになるなんて

微塵も考えていなかった



「…やだ…旦那様…旦那様っ」



片付けの勤めを放り出して、旦那様のお部屋へ走った











小さな灯りが廊下に漏れるお部屋の前



「和也です、あの…入ってもよろしいでしょうか」



膝をつけて、お伺いする




『下がりなさい』



お部屋から返ってきたのは


感情の見えない、冷たい声



…お怒りなんだ




「ごめんなさい、すぐにお断り出来なかったことは俺の…」

『今宵は顔を見たくない

声も聞きたくない、下がれ』



俺の声を遮る厳しいお言葉



従うべき…?

でもここで下がったら、揺れていたと認めることになるんじゃないの…?



「…嫌です

お許しいただけるまでここを…」

『下がれ!』



空気がビリッと震えた



身体が固く、冷たくなっていく





今までは、自分の生まれとか、立場とか、ご恩とか、お勤めとか

そういった当たり前のことに付随して

してはいけないこと、望んではいけないことがたくさんあった



だけど、旦那様はそれを吹き飛ばして、俺を望んでくださった

その時から、俺の人生は変わったんだ

…いや、旦那様に拾われた瞬間から

俺の人生は変わっていたんだ



だから、下がらない



約束の儀を交わした者として、これからを共に生きていく者として

下がるわけにはいかないんだ




「入ります!」



旦那様の命に背いて、戸を引いた

















つづく