※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
「和くん…いらっしゃい」
「大野さん帰ってますか?!」
「もうすぐだと思うけど…
それは?今日も大荷物ね」
「はいっ 大野さんへのプレゼントです!
昨日は間違えちゃったので!」
「和くん」
「はい?」
「智ね、和くんが選んでくれた筆、すごく嬉しそうにしてたのよ」
「あははっ あれはダメですよ~!
大野さんってば自分で買っちゃうんだもんっ」
「それは、いくらしたの?」
「お金のことなんていいんですよーっ」
「和くんが一生懸命働いて稼いだお金でしょう」
大野さんと同じこと言ってる
さすが親子だなぁ~
「ただいま~」
「大野さん!おかえりなさい!」
「…ニノ?」
「ジャーン!どうですか?!これ!」
今日こそばっちり!
「…バイトは?」
「いいのいいの!それよりこれ!見てくださいよーっ」
一番のお気に入りのルアーを大野さんへ差し出す
虹色の綺麗なルアー
一目見て「これだー!」って思ったんだっ
大野さんも喜んでくれるに違いない!
「綺麗でしょ~?光が当たるともっと綺麗なんですよーっ
水の中だったらきっともっと綺麗ですよっ
この青色なんて大野さんにぴったり!
ねっ?大野さんのお母さんもそう思いませんか?」
「そうね」
「でしょー!」
「智、おかえり」
「大野さんもっ ねっ!」
「ただいま、いってきます」
「ねーっ!」
「いってらっしゃい」
俺が選んだルアーはまた宙を舞うだけで
大野さんの手には届かなかった
「ありがとうございましたぁ~」
釣具屋さんを二人で出る
昨日と同じように、店員さんに頭を下げた大野さん
俺の会心のプレゼントは、また返品されてしまった
…なんで?
「ニノ、このルアー買ったよ」
俺のポケットには、また全額戻ってきて
俺が大野さんに絶対似合うとオススメしたルアーだけ
大野さんが自分で購入していた
…なんで?
「自分の欲しい物は自分で金貯めて買うから
ニノはもうプレゼントとかしなくていいよ」
…なんで?
なんで喜んでもらえないの?
…そっか、違うんだ
大野さんの望むものはきっと物じゃないんだ
もっと喜んでもらえることしなきゃ…
早くしなきゃ…
早く…
つづく