【検証】花輪喜平、その正体は? | Born Again

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*『龍が如く7外伝』本編に関する重要なネタバレについて触れているので、本編クリア済みorネタバレOKの方のみ閲覧推奨です!

 


 
 
『龍が如く7外伝』で桐生(浄龍)の実質的な相棒キャラとして登場した大道寺一派のエージェント・花輪喜平
 
この花輪について、過去作に登場するとあるキャラクターとの関連性の疑いがにわかにブチ上がっています。
 
 
そのキャラとは、『龍が如く5』で堂島大吾の会長護衛役として登場した森永悠
 
森永の登場は『5』のみで、劇中の発言によると、相方の相澤に殺害されたとの結末。
 
ただ近年の龍が如くシリーズのキャラの生死の扱いは非常に曖昧な上に(その傾向は望ましくないと思うが)、森永の死亡があのしっちゃかめっちゃかな『5』での出来事なので、劇中の発言や描写だけで死亡確定とはハッキリと言い切れない実情があります。
 
そこら辺が曖昧だからこそ『7外伝』での花輪=森永説への信憑性が高まる訳ですが、果たして本当にそうなのか?
 
過去の記事⇩でサバイバーのマスターの正体を検証しましたが、今回第二弾として花輪喜平という人の正体に迫りたいと思います。
 

 
花輪=森永説の根拠として上げられるのは、
 
・花輪も森永も演じるのが同じ東地宏樹氏
・桐生が“鈴木太一”として永洲街で生活してた事を花輪が知っていた事。
・花輪が桐生の事を知ったのが、花輪がエージェントになる前である事。
 
この3点に集約されますが、逆に言えばそれ以外の根拠には乏しいとも言える。
 
そこで『5』と『7外伝』の内容を加味しながら1つ1つ検証していきます。
 

  ①「鈴木太一」の偽名の認知

 
 
『7外伝』のラストで、花輪が桐生に“鈴木太一”名義の偽の身分証を渡した事で「花輪がなんでそれを知ってるんや…?」となった事が、(あえて悪く言うと) 花輪=森永説の「諸悪の根源」とも言える。
(この意味はラストまで読んで頂ければ。)
 
ただここで疑問なのが、「桐生=鈴木太一」だと知ってる事がそんなに特別な事なのか?という話。
 
 
そもそも『5』では、大吾がタクシー運転手・鈴木太一として生きる桐生を訪ねて永洲街に赴き、その後消息不明になった大吾の乗ったタクシーから森永と相澤が“永洲タクシーの鈴木太一”を突き止めて桐生の元にやって来たという流れがあった。
 
つまりこれから分かる事は、桐生=鈴木太一である事は調べようと思ったら誰でも調べられる事柄であり、決して大吾や森永たちだけが知りうるトップシークレットではないと言う事。
 
(大吾に情報を流してたのは現地の山笠組のトップである斑目組長ではあるけど。)
 
 
もちろん桐生一馬という人物を知ってる事が大前提ではあるが、『7外伝』でも正体バレバレだったように、桐生は裏社会の有名人でもありその存在を簡単に隠し通せるものではない。
 
花輪がいつから大道寺のエージェントなのかは分からないが、 各地に支部があり有力政治家がバックにいる大道寺なら、ヤクザの大吾たちさえ調べられた情報なんて簡単にアクセスできる事が容易に想像できる。
 
私がネットで見た一説で「花輪がかつてたまたま桐生のタクシーの客だったから知ってた」ってのがあって面白かったけど、そういうルートも含めて花輪が桐生=鈴木太一だと知り得る可能性のある手段を独自に持っている以上、それだけで花輪=森永だとは言い切れないのでは?と言うのがこの説に対する反証である。
 
ましてや声優さんが同じというだけで、 ストレートに花輪=森永と結びつけるのはあまりにも短絡的ではないか?
 

  ②住職の発言

 
 
花輪を大道寺に迎え入れたのは、大道寺の“住職”だった事が劇中でも明言されている。
 
この時に住職は「私が花輪を“裏の世界”に引き入れた」と発言している。
 
仮に花輪が森永だったとしたら、裏社会である極道、それも東城会の会長護衛役までやってた森永を“裏の世界に引き入れた”と言うのはそもそもおかしいのではないか?という疑問点がある。
 

  ③東城会に対する淡泊な態度

 
 
冒頭の横浜港でのシーンで、東城会が3K作戦によってバラバラになった事を浄龍に話すくだり。
 
人生の大半の局面で東城会に関わり、今でも大吾や真島の兄さんなど盟友がいるため感傷的になる浄龍に対して、極道が大っぴらに闊歩できる時代じゃないとドライに返す花輪。
 
仮に花輪が森永だとして、森永は『5』で東城会にいながら黒澤の計画に加担した反乱分子ではあり、東城会に対する思い入れは桐生のそれとは比較にならないが、それにしたってこの反応はちょっとあっさりしすぎな感じも受ける。
 
加えてラストシーン。
 
自らも“名を消した男”だと明かし、大道寺入りの前から桐生の事を知っていたと語る花輪。
 
それは花輪が桐生の事を気のおけない相手だと受け入れたからこそ明かしたのであり、仮に花輪が森永なら、もうちょっと自分が森永だとハッキリ匂わせるような手掛かりを出すのでは?
 
具体的には、花輪は最後に浄龍ではなく“桐生さん”と呼んだけど、森永は『5』では桐生の事を“四代目”と呼ぶ事が多かった。
 
勿論それは現役組員として先代と接するからではあるけど、仮に花輪=森永だとしたら、桐生ー森永の関係に立ち返る為に“桐生さん”よりも“四代目”と言った方が、より「自分は森永」だと強く認識させられるのではないか?
 
勿論、花輪(森永)は先述のように極道だった過去やそこへの思い入れは薄いかもしれないけど、東城会という共通のバックグラウンドを持つ以上、そこに縋った方が桐生とより打ち解けた関係に容易になれるはず。
 
⇧これはあくまで花輪=森永だったらの話だけど、そうしなかったのはやはり別人だからではという疑問をここで提示する。
 

  ④「2度助けられた」の“2度”とは?

 
 
花輪が大道寺に浄龍の始末を命じられるシーンで、花輪は「私は彼に2度命を助けられた」と発言している。
 
では“2度”の内訳とは?
 
1つは確実に、この直前の渡瀬組の監禁状態から助けられた事。
 
もう1つは、最初の横浜港での襲撃の時の事を言っていると普通なら解釈できる。
 
ただし花輪=森永と仮定すれば違う事実も思い浮かぶ。
 
森永が桐生に助けられたシーンと言えば、永洲街で山笠組の組員にボコられた時にアパートを訪ねて匿われたシーンがある。
 
ただガチで命の危険に晒された前の2つと比べて、山笠組にボコられてアパートに匿われた程度で「命を助けられた」というのはやや表現として大袈裟ではないか?
 
この点も、花輪=森永と断定するのにいささか疑問符の付くポイントではある。
 

  ⑤「ヤクザは嫌い」発言

 
 
花輪が鶴野から浄龍に助けられた時、拷問の責任を獅子堂に転嫁する鶴野に対して花輪は、
 
「これだからヤクザは嫌い」
 
と発言している。
 
単に極道のやり方に対する嫌悪感からの発言なのか、(花輪=森永だとして)逆に極道の世界をよく知ってるからこその発言なのかは判断が分かれる所ではある。
 
前者ならすんなり納得がいくが、問題は後者。
 
 
『5』で桐生としての正体を認めない“カタギの”鈴木太一に実力行使で口を割らせようとしたように、森永ってそもそもヤクザとしては割と武闘派だったはず。
 
獅子堂みたいに暴力に躊躇が無いかは別として、口を割らせる為に暴力を用いる事には肯定的な描写だった。
 
もちろん森永のヤクザとしてのポリシーは『5』では十分語られないし、嫌々やってた可能性もある。
 
でも花輪が森永だとして、極道のやり口を熟知し、過去に自分もそうしてきた人間が、いざやられる側に立って「これだから極道は嫌い」なんて台詞吐くだろうか?
 
そういう面でも、花輪と森永の内面的な相違点に対する疑問を拭えないまま森永だと断定するのは難しいのではないか?と考える。
 

 
 
最後に、なぜ花輪は「鈴木太一」の偽名を選んだのか?
 
結論から言うと、『7外伝』のあのラストシーンで花輪=森永説がにわかに湧き上がったは、短絡的な一部のユーザーによるミスリードであり、勘違いだと思います。
 
メタ的にはユーザーが知ってる桐生一馬の偽名の筆頭が「鈴木太一」だからそれが選ばれたという見方も出来る。
 
ただ「桐生一馬=鈴木太一」という事実を知る事は、『5』の永洲街で桐生と関わった森永たちでなくても可能であるという事を客観的事実からここまで検証してきた。
 
それらの事から、花輪が森永でなくても桐生の過去を知って「鈴木太一」という偽名をチョイスする事は出来る、だから花輪=森永であるとは言い切れない…と言うのが私の結論です。
 
1周目だと花輪の言い草からユーザーがそう勘違いするのも無理はないけど、冷静に客観的な事実を並べていけば花輪≠ 森永とする断定的な事象に乏しいことが理解出来ると思います。
 
冒頭であのラストシーンを「諸悪の根源」と書いたのはその為です。
 
実際、YouTubeのオススメ動画で花輪=森永だと安易に断定したサムネの動画が表示されるけど(そんなクソ動画死んでも見ないが)、そういう安易なミスリーディングに対する反論としてこの記事を書きました鉛筆
 
制作側にあのシーンでどういう意図があったのかは分からないけど。
 
その他にも、顔が違う、性格が違う、戦闘力が違うなど、森永と花輪の相違点としては上げる事が出来る。
 
顔の違いは、龍が如く世界はどんな人間にもそっくりな顔にしてくれる「ハンジュンギ美容整形外科」で何とでもなる世界ではあるが、何故わざわざ顔を変える理由が森永(花輪)にあったのか、浄龍や他のエージェントは整形しなくていのか?その辺は疑問。
 
性格も森永とは大分違うと感じるけど、いずれにせよこの辺は主観的な要素でもあるので割愛しました。
 
『8』でも花輪は引き続き登場するみたいなので活躍楽しみです。
 

☆追記(12/11)

 

 

ここまでの記事は先週までに書き終えてたものですが、このタイミングで事態が急変。

 

⇧のツイートは日曜の横浜の体験会に行った方のものだけど、横山氏が自ら「花輪=森永」と(口頭でだが)確定させちゃったとのことガーン

 

えーーーー!

 

時間かけて丁寧に長々と記事書いたのに、最悪の形でちゃぶ台返しされるなんて・・・チーン

 

・・・いやでも、これで私の予感が半分当たってたというか、冒頭に述べた「花輪=森永」の根拠って結局あのラストシーンだけなのよ。

 

ここで長々と書いてきたように、それ以外の花輪と森永の描写を丁寧に見ていくと、2人はやっぱり同一人物とは言いきれない“はず”なんだよね…ちゃぶ台返しされたけどショボーン