発達障害4.【アスペルガー症候群という福音】 | 始まりはアドラー心理学

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より、ハッピーな人生を過ごすためには、
どうすればいいのでしょうか?
そのための方法論や実践論を考えています。
ちょっと難しい内容かも知れませんが、
みなさんのお役に立てるような情報を伝えていきたいと思います。

今回は、精神医学博士『岡田尊司』氏の著作を参考にし、
アスペルガー症候群の実像に迫ってみたいと思いますサーチ

アスペルガー症候群は、精神科医が定義する
自閉症スペクトラム障害(ASD)の1形態として分類されています。
ASDとは、発達障害の1つに当たり、
一定の傾向を持つ様々なタイプを、
大まかに括ったアバウトな分類に過ぎません。
アスペルガー症候群とは、このASDの中で、
一定基準によって括られた1つのタイプに当たります。
さらに、同じアスペルガーでも、
全く正反対の傾向を持つ複数のタイプが存在するので、
もはや、何を基準に決めているのか皆目見当が付きませんあれー?

以下がアスペルガー症候群(ASD)の主な傾向となります。

・独特な動き、妙なアクションが目立つ
・身振り手振りや顔の表情などの、
非言語コミュニケーションが出来ない
(言葉でしかコミュニケーション出来ない)
・周囲と感情の共有が出来ない(他人の気持ちが解らない)
・空気を読めない発言が多い(無神経な発言)
・しばしば一方的に話し続け、他人の話が聞けない
・言葉を字面通りに解釈し、冗談が解らない
・特定の分野にやたらと詳しい
・独特の拘りや細かい習慣があり、
それを忠実に守る(時に他人に強要する)
・対人関係を好まず、一人でいる事が多い
(人より物に興味がある)
・癇癪、パニックを起こしやすい


以上の傾向がある人は、少なからず周囲にいるはずです。
アスペルガー症候群に該当する人は100人に1人といわれますが、
大まかな発達障害という括りに入る人は、
もっと大勢いると思われますアップ

近年は、アスペルガー傾向の見られる人が、
それ以前に比べてかなり増えているそうです。
原因は、社会環境の変化でしょう。
先天的なアスペルガー傾向を持つ人の比率は変わらなくても、
強く症状として現れる例が増えていると考えられます。
それは、生まれつきの傾向が、育つ環境からの影響で、
より強く現れたり、逆に目立たなくなったりする事によります。
つまり、過去の時代では問題なく過ごせていたはずの人々が、
今の環境では障害に該当するレベルに『育って』しまう訳です。
以上は、あくまで現段階での推測に過ぎませんが、
恐らく間違いないと思います。

アスペルガー症候群該当者にとって最大の課題は、
対人関係にあります。
彼らは、他人の気持ちや周囲の状況を察する事が苦手ですした
相手が『何を考えているか』、
もしくは、『どう感じているか』が解らないのです。
解らなければ、相手に対して的を得た言葉を遣う事や、
質問に対して適切な返答をする事など、出来るはずがありません。
彼らが空気の読めない発言をするのも、
他人の話を聞かずに一方的に喋るのも、
以上の理由があるからです。

アスペルガー的な人には、得手不得手の差が激しい傾向があります。
興味を持った事は人一倍頑張る反面、
誰もがこなせる日常的な事に関しては空っきしなのですあせる
多くの場合、身の回りの事をこなすのが苦手で、
持ち物の整理、部屋の片付け、予定の管理、着替えや身嗜み、
…などの細かい雑事が上手く出来ない傾向があります。
他には、食べ物をよく溢す、靴の紐を結べない、などの傾向があり、
傍目からすれば、「子供みたい」だと思われるかも知れません。

アスペルガー的な人は、基本的にマニアックです。
一般では気にもされないような細かい事に強い拘りを持ったり、
また、特定の分野に激しくのめり込み、
人々を「あっ」と驚かせるような知識や技能を示したりします。
ただ、興味の対象が独特である事が多いので、
なかなか周囲の評価を得にくいようです。
例えば、『特撮戦隊ヒーロー』、『昭和歌謡』、
『80年代アイドル』、『マレーシアの昆虫』、『カポエイラ』、『粘菌』
…などで人並み外れた知識を持っていたとしても、
世間的には「へぇースゴいアハハ…w苦笑い」と思われて終わりでしょう。
現実に、常人離れした特技や能力を持ちながら、
ただの『変わり者』としか思われず、
巷に埋もれている人が大勢いるようですガーン

興味を持った物事が、社会的な評価に値する分野であれば、
プロとして活躍出来る可能性は充分にありますアップ
現実には、自らの傾向を活かして企業で活躍する人も多く、
事業を起こして成功を収めた例も珍しくありません。
例えば、マイクロソフトを創業したビル・ゲイツも、
該当者である可能性が濃厚だそうです。

世間ではアスペルガー症候群らしき有名人が、他にも大勢います。
元スマップの草なぎ剛氏、魚博士の『さかな君』氏、
漫画家の蛭子能収氏らも、恐らく該当者です。
さらに、かの有名なエジソンやアインシュタイン、
作家のアンデルセンやルイス・キャロル、
映画監督のジョージ・ルーカスなども、
該当する可能性が高いといわれています。
また、有名人ではなくても、
芸術・音楽・研究などの分野に大勢おり、
社会的に成功を収めている人は意外に多いようです。

日常生活では様々な問題を起こしはしますが、
社会では人並み外れた活躍をする可能性を持つ彼らを、
『発達障害』などと定義する事は、
果たして正しいといえるのでしょうか??
この『障害』という言葉には、どこか差別的なニュアンスがあり、
それが一般に誤ったイメージをもたらしている事も
また、確かだと思います悲しい

現在の社会環境に適応するには、
何をするにも平均的な能力を持つ人の方が遥かに有利です。
逆に、極端な得手不得手のある人間にとって、
一般社会への順応はかなり困難なものとなるでしょうあせる
しかし、彼らが持つ特性には、
『思いもよらぬアイデア』、『全く新しい価値観』、
『常人を遥かに凌ぐ能力』などを生み出す力が秘められていますキラキラ
既存概念に順応する平均的な人間に
世の中を変える力はありません。
過去を見れば窺えるでしょう。
いつだって、時代を切り開いてきたのは、
破天荒な個性派人間ばかりでした。 
つまり、アスペルガー症候群(発達障害)の人たちは、
我々人類にとって、必要不可欠な存在ともいえるのです太陽

発達障害がもたらす課題は、個人のみならず、社会全体のものです。
その裏には、もっと大きな、
人類根元ともいえる課題が隠されているのですが、
これについては、いずれ説明したいと思います。