発達障害1.【ASD~(アスペルガー症候群)】 | 始まりはアドラー心理学

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より、楽しい日々を送るために、
より、ハッピーな人生を過ごすためには、
どうすればいいのでしょうか?
そのための方法論や実践論を考えています。
ちょっと難しい内容かも知れませんが、
みなさんのお役に立てるような情報を伝えていきたいと思います。

数年前、『KY』という言葉が流行っていた時期があります。
これは、皆さんも知っている通り、『空気が読めない』の略語で、
他人の気持ちが解らない』、
場の状況が把握出来ない』などの状態を指す言葉です。
このような傾向は、誰にも多少はあるはずですが、
中には信じられないほど重症の人がいます。
これらの人たちは、
いつしか『アスペ』、『アス君』などという言葉で呼ばれ、
世間から揶揄されるようになりましたガーン

近年、アスペルガー症候群という名称が
広く社会に知られるようになっています。
僕自身、漠然としたイメージしかなかったのですが、
昭和大学で教授を勤める岩波明博士の著作に触れたお陰で
ようやく、その詳細を掴む事が出来ましたひらめき電球

アスペルガー症候群は、精神疾患ではなく
発達障害の1つとして分類されています。
発達障害とは、通常ならば成長に連れて発達していくはずの
『人間が生きるために必要なスキル』が、
「なかなか身に付かない」、
もしくは「身に付くのが遅い」という状態を、
『障害』として定義した精神医学用語です。

発達障害の原因は『生まれ付き具わった脳の傾向』にあります。
本来ならば個性として捉えるべきなのですが、
周囲の人々に迷惑を掛け、また本人も大いに苦しむ事から
精神医学では『障害』という形で分類されるようになりました。

現代の精神医学では、
発達障害を主にASDとADHD(ADD)に分けて定義しています。
いずれも先天的なものであり、
大人になってから発症する事はありません。
その症状は幼い頃から現れますが、
かなり成長後になってから現れてくる場合もあります。
その場合、発達障害ではなく、
他の精神疾患と間違われて診断される事も多いそうです。

発達障害の症状は多岐に渡り、その強さにも個人差があります。
中には複数の分類を兼ね備える例も多く、
同じ発達障害であっても、なかなか簡単には区別出来ないようです。

ASDとは、自閉症スペクトラム障害の略で、
人口の約1%の人が該当するといわれています。
内、知能に障害があるタイプが自閉症です。
多くの場合、ほとんど改善の余地はなく、
他人の手助けがなければ社会生活を営む事が出来ませんあせる
反面、知能に障害がないタイプは『高機能自閉症』と呼ばれ、
その場合は年月によって改善される可能性が充分ありますOK

ASD該当者には、
以下のような対人関係の障害を示す傾向があります。

・他人の気持ちが解らない
・他人と、物事の関心や感情を分かち合う事が出来ない
・言葉を字面通りに受け止める
・冗談が通じない
・一方的に話し続け、相手の話を聞けない
・身振り手振りや、顔の表情を使うなどの
非言語コミュニケーションが取れない


他にも、以下のような傾向があります。

・特定の事柄に異常な興味を示し、激しく没頭する
・自分独自のルールや拘りがあり、
それに沿った行動を日常的に繰り返さないと気が済まない
・体を使っての独特な癖がある(奇妙な動き、アクション)
・利発的な容貌


以上は、『限定的に反復される様式』とされ、
ASD該当者によく見られる特徴です。

対象者により、対人関係の障害のみが見られる場合、
また、『限定的に反復される様式』のみが見られる場合に分かれ、
また、両方に該当する場合もあります。
この両方を兼ね備え、しかも知能に問題がなければ、
いわれるアスペルガー症候群に該当するそうです。

ASD該当者が利発的な風貌を持っているのは、
彼らの多くに、知能の障害がないからでしょう。
むしろ、一般人に比べても、高めの知能指数を示す例も多く、
学校の成績も概ね良いそうですアップ
従って、一般人と同じく大学へも行けますし、
名門大学を卒業する人も普通にいます。
他、医師や弁護士資格など取得する人もおり、
一部では科学者や芸術家として活躍している人さえいるそうです。

学力や仕事能力には何の支障もない彼らにとって、
最大のネックとなるのは対人関係です。
幼少時から『変わり者』扱いされるので、
学校では周囲に溶け込めずに孤立したり、
イジメに遭うなどして、しばしば不登校に陥りますガーン
社会に出てからも同じで、組織に適応出来ずに会社を辞めたり、
自信喪失と劣等感から、引き隠りになる事も多々あるそうです悲しい

このような問題を抱える人の多くが、
自らがASDであるとは考えていません。
それに周囲も気付かなければ、
単なる問題児・変人扱いされるだけです。
しかし、近年は、

発達障害についての社会的な注目が高まってきており、
自ら心配して受診したり、周囲が疑って受診を勧めるなどし、
判明に至るケースが増えてきました。

 

我々に必要なのは、ASDというタイプの人間がいるという事、
また、その特徴を知り、理解する事です。
同様に、もし自分が該当者であるならば、
それを真摯に受け止め、自らの課題として捉え、
社会に順応するための努力をすべきでしょうがんばる

発達障害には、ASDの他にADHDという分類もありますが、
これについては次回に説明致します鉛筆

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