ベジフルインフォネット98号 初夏に美味しい! すもも | 日本野菜ソムリエ協会認定 「野菜ソムリエコミュニティ新潟」

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モモに比べて酸味が強いことが、名前の由来のようです。

漢字では「李」と書いて「すもも」と読みます。

スモモは和名で、英語では「prune(プルーン))や「plum(プラム)」と呼ばれています。

 

日本でスモモとして扱われているのは中国原産の形が丸いものです。

ヨーロッパなどで食べられているのは西洋スモモで形は楕円形で、プルーンと呼ばれるものです。

 

「プラム」と「プルーン」の分け方には色々な説があると思いますが、

一般的には生のスモモ類を「プラム」、

生の西洋スモモ類とドライフルーツにしたものを「プルーン」と呼ぶことが多いようです。

 

 

 

歴史のある品種 ソルダム

 

この品種は、「大石早生」に次ぐ生産量がありますが、明治時代にアメリカから導入され、

栽培のしやすさや食味の良さから100年以上にわたって栽培されています。

しかし、詳しい来歴はわかっていません。

 

ソルダムの果実は短楕円形で、果皮は黄緑色に赤の斑点が少しあります。

完熟すると濃紅色になります。

果皮の色に反して果肉の色は真っ赤なのが大きな特徴だと思います。
果皮の黄緑色から酸っぱさを想像し敬遠してしまう方もいるようです。

赤い果肉はジューシーで甘味もたっぷりあります。

また、皮を剥いてしまうと酸味が少なくなります。赤と緑のコントラストも見た目には良いです。

 

 

【ソルダム(山梨県産)】

 

 

出回り時期は7月中旬から8月頃で、産地としては山梨、和歌山、山形がトップ3です。
ソルダムの枝変わり品種で、8月下旬に出てくる晩生種の「レイトソルダム」という

品種があるようですが、私自身はまだお目にかかったことはありません。

 

丸ごと食べても良し、くし切りにしても良しですが、皮の酸味が少し強いので

皮を剥いて食べても良いでしょう。

完熟のものを冷凍にして半解凍で食べてもおいしいですよ。

 

 

 

日本スモモなのに洋風な名前のケルシー

 

ケルシーはもともと山梨県で「甲州大巴旦杏(こうしゅうだいはたんきょう)」と

呼ばれていた日本スモモがアメリカに渡りジョン・ケルシー氏がケルシーと命名、

その後、日本に逆輸入されたものです。

 

 

【ケルシー(山梨県産)】

 

見た目には酸っぱそうに見えますが、酸味は少なく甘い果汁がたっぷりです。

果肉はややかためですが、さわやかな風味があります。
果肉中央部に空洞が出来やすく、虫食いや病気と勘違いされる場合がありますが、

ケルシーの性質なので問題はありません。

 

主要産地は山梨県と山形県ですが、他県ではデーターが公表されておらず、

ほぼこの2県で占めると考えられます。生産量が少なく出回りはごく少量です。

収穫時期は8月下旬から9月上旬頃です。

ケルシーは熟しても赤みがかったりしないので、状態を見分けることが難しいと言えます。

しかし、熟度が進むと濃い緑から黄緑色に近くなるので判断基準になると思います。

また、ケルシーはブルームが目立つ品種ですが、鮮度のよい証拠です。

 

 

 

食味に優れたサマーエンジェル

 

サマーエンジェルは前出の「ソルダム」と「ケルシー」を交配してできたものです。

山梨県で育成されて2005年に品種登録されました。

同時に山梨県は、ブラックビュートとソルダムを交配した「サマービュート」を品種登録しました。

サマーエンジェルと同じような特徴があります。

 

果実は丸型で大玉(150g程度)、果皮は紅色、果肉は淡い黄色をしています。

親とは果皮の色が異なります。
適度な酸味があり、甘味も強いのが特徴です。

香りは少し弱いのですが、繊維が少なく果汁が豊富なため食味は良好です。

 

出回り時期は7月下旬から8月頃で、主要産地は山梨、長野、山形で全国の9割以上を占めます。

 

 

【サマーエンジェル(山梨県産)】

 

 

食べ方は他の2種類と同じです。

スモモをカットするには、果実の縫合線に沿って包丁を入れ、

そのまま一周するように切れ目を入れます。

あとは左右をねじるように分ければ大丈夫です。

タネを取り除き、くし切りなどにします。

 

 

(野菜ソムリエプロ 木村純一)