ベジフルインフォネット96号 食べたことありますか?食用ほおずき | 日本野菜ソムリエ協会認定 「野菜ソムリエコミュニティ新潟」

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みなさんが「ほおずき」と聞いて一番に思い浮かべるのは、

観賞用の植物を思い浮かべるのではないでしょうか。

例年ですと東京・浅草では、ほおずき市が開かれ大変賑わいますが、

今年は残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中止となってしまいました。

そこで今回は、スーパーフードとして注目されている「食用ほおずき」について

紹介させていただきます。

 

 

 

「食用ほおずき」実はナスの仲間


食用ほおずきは、ナス科ほおずき属の果物です。

原産地は南米ペルー、チリ、エクアドルなどの高山地帯で、

19世紀には南米の広い地域で野菜として栽培されるようになりました。

その後、ヨーロッパを経て日本にも伝わりましたが、もっぱら観賞用として栽培されました。

食用としては1990年代に少しづつ栽培されるようになりました。

 

 

 

東京・浅草 ほおずき市(2019年)

 

 

 

食用ほおずきの特徴


観賞用のほおずきには毒があり食べることはできません。

また、観賞用には香りがほとんどありません。
食用ほおずきは、甘い香りがして、人によって感じ方は違いますが、甘酸っぱさを感じます。

あえて言えば、甘い果物と酸っぱい果物が混ざったような独特な味です。

そんな味の特徴からヨーロッパでは「ストロベリートマト」や「オレンジチェリー」などと呼ばれています。

 

食用ほおずきにはビタミンA、Cや鉄分が豊富に含まれるほか、

イノシトールと呼ばれる栄養素が含まれます。

イノシトールはコレストロールを低下させ、脂肪肝、動脈硬化、

がんなどの病気を予防する効果があると考えられています。

これらの効果のある栄養素を含むことから、スーパーフードとして注目されているようです。

 

 

 

食用ほおずきの産地と旬


日本で本格的に栽培が始まったのは1998年頃、秋田県上小阿仁村とされています。

現在、こちらで栽培される食用ほおずきは「恋どろぼう」というブランドで出荷されています。

他の産地としては、北海道、長野、愛知等ですが、

生産量などのデーターは探したのですが見当たりませんでした。

 

旬の時期は夏から秋にかけてで、8月がピークとなります。

旬の時期を逃すと生産量がまだまだ少ないためお目にかかれません。是非、探してみてください。

 

 

 

食用ほおずきの品種

 

ストロベリートマト
食用ほおずきの中では定番の品種で、黄色い果実をしています。

ブルイノサとも言われます。現在出回っているものの多くがこの品種です。

ガクが茶色くなってきたら収穫時期だそうです。
保存する時にはガクをつけたまま冷蔵庫で保管します。

 

ストロベリートマト

 

トマティロ
紫、緑、黄色など様々な色の実をつけ、熟してくるとガクが破れ、実が露出します。

中の実が見えてきたら収穫時期ということです。
原産地の南米では、サルサソースやグリーンソースの材料として使われます。

 

ベルウィアーナ
インカ帝国でも栽培されていたとされる品種で、インカベリーという別名もあります。

果実は黄色く熟し、他の品種と比べると酸味が強いとされます。

 

 

 

品種はストベリートマトが多いのですが、品種とは別にブランド名がいくつかあります。

前出の「恋どろぼう」の他、長野県八ヶ岳山麓で無農薬・無化学肥料で栽培される「太陽の子」、

北海道赤井川・コロポックル村の「フルーツほおずき」、愛知県の「みかわっこ」などです。

 

 

 

食用ほおずきの食べ方

 

生でそのまま
食用ほおずきは、生で食べられる果物です。

デザート感覚でそのまま食べたり、サラダに混ぜることも可能です。

また、生ハムに巻いて食べても美味しいです。

 

加工する
ジャムやコンポートにすることはもちろん、ドライフルーツに加工することも可能です。
サルサソースやグリーンソースなどにしても肉料理や魚料理との相性も良いと思います。
長野県佐久市のほおずき農家さんでは、ドライフルーツ、コンポート、フルーツソースのほか

オレンジチェリー100%ジュースに加工し販売しています。

 

下記の写真は、そのジュースで1本あたり40個のオレンジチェリーが使われているとの事でした。
トロリとしていて、そのまま飲んでもOKですが、これからの季節は炭酸水で割っても美味しいです。

 

 

オレンジチェリー100%ジュース

 

 

 

 

(野菜ソムリエプロ 木村純一)