トマトの旬は夏だと思っている方は多いように思いますが、実は春なのです。
(注 露地栽培での旬は夏ですが、ハウス栽培下で
甘さが乗って美味しい時期という意味での旬は春)
トマトはあまり暑さに強くありません。勿論、トマトが成長するには日光が必要ですが、
あまり高温になると水っぽくなり美味しくありません。
春は日射しもあり、それほど高温にならないのでこの時期のトマトは旬と言えるでしょう。
秋口も同じだと思います。
トマトの品種は約8,000種あると言われ、日本国内では約120種以上の品種が
栽培されているとされています。
分類方法としては大きさ、色、生食用、加工用などあると思われますが、
ここでは大きさで分類してみましょう。
1個の重さが150g以上を大玉トマト、
40~150gを中玉トマト(ミディトマト)、
40g以下を小玉トマト(ミニトマトあるいはプチトマト)に分類できると思います。
今回はこのうちミニトマトをご紹介します。
アイコは果肉が厚くゼリー部分が少ない、細長なたまご型をしたトマトです。
果皮が黄色いイエローアイコもあります。
同じような形をしたピッコラルージュは、イタリア料理の人気と共に注目された
地中海中玉トマトの名品・シシリアンルージュのミニタイプです。
オリーブオイルで軽く炒めるだけで美味しいトマトです。
糖度もあり、甘みと酸味のバランスが良いさくらという品種もあります。
おそらくラブリーさくらと同じだと思います。
(千葉県産 さくら)
トスカーナバイオレットは見た目と、その色からブドウを思わせます。
赤紫色の果皮で普通トマトには含まれないアントシアニンを含み、
抗酸化作用があるとされています。
(千葉県産 トスカーナバイオレット)
カラフルミニトマト
野菜ソムリエの世界で、その品質や美味しさで高評価を得ているのが
高知県土佐市のファーム輝(かがやき)さんのカラフルなミニトマトです。
ファーム輝さんは38aのハウスで25品種以上のカラフルミニトマトやフルーツトマトを栽培しているトマト専業農家です。
有機肥料にこだわり、日本一の清流・仁淀川の伏流水を使用し、天候や畑の状態によって毎日肥料や水量を変え高品質のトマトを生産しています。また、着果の時のホルモン処理や農薬の使用を必要最小限にとどめるなど専業ならではの努力をしています。
(ファーム輝さんのカラフルミニトマト)
ファーム輝さんのカラフルミニトマトは通販での購入もできますので、
興味のある方は「ファーム輝」で検索してみてください。
新潟県内にも野菜ソムリエサミットで受賞歴のあるトマトが何種類かあります。
県内のトマトも春の旬を迎えますのでお気に入りの一品を探してみてください。
千寿葱と葱商
千寿葱は東京・千寿に産地があるわけではなく、
良質な葱だけを扱う葱専門市場があったためです。
その市場の周辺に葱を専門に扱う葱商が存在しました。
この葱商は厳しい修行や経験を積み認められた者か、血縁者しかなれません。
そのために現在は全国に6軒しかありません。
千住ネギ群には「深谷ネギ」や「越津ねぎ」など様々なブランドがあり、
これらと区別するために「千住葱」ではなく「千寿葱」としたようですが
一部「千住葱」の表記も使われているようです。
千住葱は全国的には知られていませんが、品質を厳選しているために量が少なく、
料亭、蕎麦屋、焼き鳥屋などの飲食店に葱商が直接販売しているためと考えられます。
また、前述のように世襲制など閉鎖的な体質も影響していると思われます。
しかしながら現在は葱商による通販や年に何回かマルシェ等での販売などが行われ、
一般消費者も購入可能になっています。
とはいえ送料などを考慮すると1本当たりの単価は変動はあるものの
高いものになるでしょう。しかし甘味など他のネギでは味わえないものがあります。
(野菜ソムリエプロ 木村純一)