各位
5月24日外務省で行われる意見交換会に提出した意見書を
ご参考までにお送りします。
基本的人権の尊重を求める会 代表 湯澤甲雄 平成24年5月6日
外務省総合外交政策局人権人道課
(人種差別撤廃条約意見交換担当)
基本的人権の尊重を求める会 代表 湯澤甲雄
横浜市南区大岡3-41-10電話045-713-7222
以下、同条約の規定に関し、意見を申し上げます。
(1)Conventionである同条約は、Covenants(社会権規約、自由権規約)より若干早く作
られたために、Covenantsと関係の無いものになっています。要すればCovenantsを
上位条約として、それの制約を受けるような条約に改めるべきであります。そうしな
ければ、「基本的大義の尊重」を前提としてCovenantsの下に作られている国際法秩
序が、身勝手な「個人の権利の尊重」や「差別の撤廃」等の美名の下に侵食され、や
がて国連憲章が根底から破壊される大混乱をもたらします。
(2)Covenantsは、家族やその共同体の人々の「基本的大義(固有の尊厳と人の絆)」を基
本に据えて所謂「法」とし、締約国はあらゆる措置を講じてこれを尊重し確保すると
同時に、他国の「法」の尊重も定めています。これを成就させる条件として「経済的、
社会的、文化的、市民的、政治的権利」を選び、第3章「個人の権利」条文を創設し
所謂「法律」としました。この「個人の権利」は、常に「家族やその共同体の人々の
基本的大義」を増進擁護する法秩序を定めて、「個人の権利」について独走を認めな
いと規定しました。同条約は、基本的大義の重要性を理解しないで創られています。
(3)一般的「個人の権利」は、人間の数だけ、又欲望の数だけ無数にあり、行政機関が一
定の「個人の権利」を尊重することは、他の無数の「個人の権利」を抑制、制限する
ことであり、それを繰返しすることによって官僚国家、全体主義国家が出現します。
それ故に、Covenantsは「個人の権利の尊重」を認めていません。(日本国憲法も第
12条により、「個人の権利は国民の不断の努力で保持するものであって、国による尊
重」を認めていません。)そういう中にあって同条約は、人種の枠に留まらず一般的
に「差別」「被差別」を、司法の判決も無く「個人の権利」の侵害ととらえて、国連
に「人種差別撤廃委員会」という行政機関を設置して、同委員会の決定に従わせよう
としています。そのことは、「個人の権利」を差配し、一方を尊重し、他方を従わせ
ることであって、世界を国連の官僚支配、全体主義に導くことになります。従って「人
種差別撤廃委員会」は、Covenantsが必要とする委員会ではないので無用です。
国連の職員は、締約国の国民の基本的人権(「法」)を増進、擁護するための奉仕者の
役目に徹するべきです。それは自由権規約第40条1項の通り、基本的大義の範囲内
に留めるもので無ければなりません。以上