当会の神奈川支部、湯澤甲雄さんが意見書を出しました。
内容を転記致します。
内閣総理大臣 野田佳彦 殿
自由民主党総裁 谷垣禎一 殿
公 明 党代表 山口那津男殿
基本的人権の尊重を求める会 代表 湯澤甲雄
横浜市南区大岡3-41-10 電話045-713-7222
<公務員労働協約締結権付与は憲法、国際条約違反>(意見)
国家公務員給与削減法案は、3党間で既に大筋合意されているところ、連合がセットで
の成立を要望する、労働協約締結権付与の関連法案の扱いを含めた合意文書の作成
が進められていると、新聞報道があります。
この連合の要望は民主主義政治制度の根幹を犯すものであり、憲法、国際人権条約、
ILO条約にも違反すものでもあるので、3党はフラットにノーの回答してくださることを望みます。
以下に理由を述べます。
1,日本国憲法は、憲法と主権者たる国民との間を規律したものであります。憲法前文にあ
る通り、「国政は、--その福利は国民がこれを享受する」とあり、その福利として憲
法は国民に対し憲法第11条において「国民の基本的人権(大義)の永久の保障」と、
第12条において「国民の自由・権利(私人間の権利)を国民が不断の努力で保持する
保障」を与えています。この私人間の権利条文には、憲法第14条から第40条にいたる
条文が属しています。
国民はこの二つの被保障権即ち福利を享受するために、憲法第15条により国民全体の
奉仕者として、公務員を選任・任用し、法の定めるところによる奉仕を受けることに
しています。即ち、国民は被奉仕者、公務員は奉仕者として両者を対極に据える政治
形態が民主主義といわれるものであって、これが民主主義の原点であります。
従って、公務員はひたすらに法の定めるところにより奉仕する立場にあり、国民に成
りすまして国民の福利を享受することはあり得ません。仮に、その場合は奉仕者は一
体誰がなるのか、公務員に対する権利の付与は現行憲法の終焉、政治革命であるのです。
公務員が奉仕者であるから、国民は公務員を尊い存在として人事院を設けて、手厚い
保護の下に置き(公務員は自由労働市場の労働者ではない)、功労者には国民の統合の象
徴である天皇から叙勲を賜る制度を設け、しかも不幸にして死に至る場合は永久にその
行為に感謝すべく、靖国神社にお祀りする名誉ある慣習が行われているのです。
2,国際人権条約である社会権規約第8 条(労働基本権)は、Trade Union(民間労働組合)
に認められるとしており、公務員に労働の基本権を認める条文はどこにもありません。
3,ILO条約第98号(1949年の団結権及び団体交渉権条約)は第6条において、「この条約
は、国の行政に携わる公務員の地位を取り扱うものでない」と定めています。
即ち本法案は、憲法、国際法、ILO条約に違反しています。
連合と公務員職員団体の詭弁と行動は、憲法の根本秩序破壊を防止する「破防法」に
抵触すると思われます。各党の良識あるご判断を切に望みます。以上
内閣官房、内閣法制局、人事院、内閣府、宮内庁、国家公安委員会・警察庁、総務省、
法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、防衛省への送信依頼を
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