火山口へ、またまたライチ | 椰子の風に吹かれて  

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中国海南島 海南師範大学日本語教師 海口市での独り暮らしの生活を終えて日本に帰国、無職になって悠々自適?な暮らしをお伝えします。

 

 

 

 今日もライチ狩り?雨が降ったら中止ね。と話していたのだけれど、朝起きたら、青空が見えた。じゃあ、午前中に、火山口へ行こう!ということになり、去年お世話になった呉さんのお宅を訪問した。

 知り合いの呉さんは、用事があってアメリカに行かれた。彼なしで、その実家に訪ねて行くのも、気が引けたが、彼から、どうぞ出かけて下さいと連絡をもらっているので、図々しくも出かけて行った。日本人の友人とその友達の中国人と3人で、恐る恐る呉さんのご実家の門をくぐる。

 呉さんのお母さんがいらして、去年お邪魔した日本人です。と言うと、中に入ってお茶飲んで~と言って下さった。しばらくすると、呉さんのお兄さん登場した。怪訝な顔をされたが、去年来た日本人ですというと、にこやかになって、「いらっしゃい、今年はライチがなってなくてね。後で案内するけど、先ずはお昼ご飯食べてって」と言ってくれた。

 この際お言葉に甘えよう。去年宴会をした、庭の木の下に、テーブルが出され、真ん中に鍋、周りに小皿に乗ったおかずが並べられている。鍋は、豚肉の塩漬けと、羊肉、白菜のスープ。塩匙がきいていて美味しい。羊肉も癖がなく柔らかった。アヒル肉、鶏肉、豆腐と野菜の炒めもの。どれも海南島の田舎料理だろう。街の店では食べられないものだ。

 ご飯を食べていると、いろんな人がやって来て、テーブルにつく。ご近所さん、同級生、日曜日のお昼はいつもこんな感じなのだろうか。お兄さんは海口の街の学校の校長先生をしているので、一週間に一度、一人暮らしをしているお母さんに会いに来ているのだそうだ。お母さんはたぶん90歳近かったと思うが、大変お元気で、お昼から白酒を召し上がっていた。明るく陽気なおばあちゃんだ。

 ご飯を終えると、お兄さんが車でライチ園に案内してくれた。去年と違って、ライチの木に実がなっていない。奥の方のライチ畑につくと、いきなりの豪雨、南国特有のスコールだ。

 作業小屋で、雨宿りをして、小降りになったところで、わずかになってるライチをいくつか摘ませてもらった。こちらの農園は管理を地元の人に任せ、お兄さんはオーナーと言った感じだろうか。「今年はだめだったから、来年またおいで」とお兄さんは明るく言ってくれた。

 図々しくも、ご飯を頂き、その上、去年の5倍くらいの値段がついている貴重なライチを一袋いただいた。帰路につく頃は、空はまた青空になっていた。

 ライチ凶作の今年、3回もライチ園に行った私。もう一生分のライチを食べたかもしれない。