少年ゾンビ高橋。#16 | ワールズエンド・ツアー

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田中ビリー、完全自作自演。

完全自作、アンチダウンロード主義の劇場型ブログ。
ロックンロールと放浪の旅、ロマンとリアルの発火点、
マシンガンをぶっ放せ!!

ゾンビ

「少年ゾンビ高橋。#16」


屍 ゾンビ イラスト 画像


「ひどいじゃないか高橋くん……」
 ふいの襲撃を喰らった西島巡査は力なくうめいた、その顔はすでに変色が始まり、彼はすでに屍化しつつあった。
 だが意識は残っていた、彼は高橋くんにその肉体をまだ奪われてはいない、噛みつかれた首を押さえる、血と膿に似た粘液が糸を引いていた。

暴走 モンスター ビースト 画像


「……からだを……ノウを……ヨコせ……」
 もはや以前の高橋くんではない。飄々と屁理屈をこねる憎たらしいゾンビ少年はいま、涎を垂らし、さらなる追撃にて西島巡査からその肉体を強奪しようとするモンスターだ。
 後ずさりで距離をとる西島巡査、にじり寄る高橋くん。動きは緩慢だが関節の可動域を無視した動作は彼に恐怖を植えつける。
 膝は逆に折れ曲がり、爪先が土をつかむ、顎は外れ、しかし牙を剥いて開閉し、垂れた自らの舌を何度も噛む。切断してしまいそうだがその舌は表皮一枚でまだ繋がっていた。

……このままでは……このままではやられる……ゾンビとは言え少年だ、暴力は避けたい……だが、話し合いが通じるはずもない……。
 想いが逡巡する。目の前にいるのは、あのひねくれた子供ではない。
 異形そのもの、もはや悪魔だ。
「やるしかない、か……! 許せ高橋くん……!」
 警棒を握る、首を上下させながら間をつめてくる高橋くんを睨む。
……ゾンビだろうがサイズは子供だ、リーチと装備の差がある、一撃で仕留めてやる……。

「がるるる……」
 飢えた野犬同然の唸り声をあげ高橋くんは跳躍した、四肢が宙を駆ける、その体は太陽に重なり飛び散った体液が光る。
「覚悟っ!」
 渾身を込めた西島巡査のスウィングは落下してくる高橋くんの頭部を確実に捉えた、腐敗した肉が弾け骨は粉砕するイメージを脳裏に描いた。
手応えは完璧だった、野球に例えるならホームランではなく衝撃による硬球の破裂だろう。

「すまない、高橋くん……殺すつもりはなかった……」
 いや、もともと死んでいたのか……? どちらにせよ、これは正当防衛だ、過失を問われることもあるまい……。

少年 ゾンビ イラスト 画像


「……いってー……なんだよいったい……」
「……な、高橋くん……!」
 そこにいるのはついさっきまで悪魔に豹変し、自らを襲撃したはずのゾンビ少年、高橋くん本来の姿だった。
 打撃による衝撃は彼を破壊しなかった、いつもの小汚いゾンビ少年がそこにうずくまっていた……。



【めちゃくちゃながら続く……】



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