「ねがいごと」
森が朝を出迎えて、光がまた私たちを包む時間は羽根の生えた子供たちが歌いながら宙を待ってゆく。
遠くを眺める。
私は羽根を失くしてしまった、だから空を踊ることはできない。だけど、想いを持って、それを言葉にした人々が目覚め、再び、眠るまでをずっと見つめるのが好きだ。
この世界は美しくもなく希望に満ち溢れたものでもない。誰もがそれを知っていて、なおも未来を願い続ける。
愚鈍で浅薄で軽率で滑稽で……なのに、どうしたって人は人を想い、小さな体が張り裂けてしまうくらいのありったけでもってして希望を叫ぶ。
思いどおりに行かなくって、何度も何度もつまづき転び、その痛みに慣れる前に別のキズにまた顔を歪め、なのに歯を食いしばって立ち上がる。
ねがいごとはなに?
君はいつか願いをかなえ、そして静かな笑みを浮かべている。その日はきっとすぐそこだからって、話しかけようとしてやめる。
人々が呼吸し、やがて想いが森にたどり着くのを確かめて、私は羽根の生えた子供たちが光の花束を掲げて戻ってくるのを出迎える。
ねがいごとは見つかった?
届かなかった言葉。
叶わなかった想い。
そんなたくさん。
いま、私が見つめる先に生まれ変わった「ねがいごと」が新しい羽根をもらってやってくる。
私は聞いてみる。
「ねがいごとはなににする?」
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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた



