楽園
長く旅を続けてた、ひとまわりは大きくなった、
僕は先々、その国、その街、そして生きる人々と、
随分な目に遭った、しかたがないや、
根のない暮らしを選んできたんだ、争いにもこの身を投じ、
ようやく着いた楽園は、
風に舞う赤、色づく花弁はふぶくみたいに、
海沿いの白い街、サーフボードは波に踊った、
そして僕は恋をする、初めて触れた柔らかさ、
頬のそばかす気にしてる、まるで光に触れるみたいで、
消えてしまわないかと手にした温もり、
何度も何度も陽に手をかざす、
名前は知らない、僕には名乗る名前もない、
それで良かった、波が届ける潮風は、
ふたりの間をすり抜けた、
気づいてみれば、それは描いた夢でしかなく、
いまの僕は暗く湿った狭い部屋に閉ざされ、
気づいてみれば、それがリアルだとしても、
かまわないよ、美しい夢のなかにいた、
ほら、組んだ僕の胸には花束ティアラが飾られてる、
ほら、閉じたまぶたの裏側に、彼女の笑顔は生きているんだ、
楽園に住んでなんていなかった、あるとすればこの眠りこそが楽園か、
楽園に住んでるつもりでいただけだった、いや違う、温もりだけは覚えてるから、
永遠の楽園は眠りのなかにあるんだと、聞いたことがあったっけ、
それもきっと悪くはない、孤独も痛みさえもなく、
静かに過ぎるここは楽園、
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