二人は記憶を共有してる、生まれた日も街も同じで、アパートメントは696と697、ダリアはもうすぐ15になってドリーは3時間後に15になる。
子供の育たぬ風車の街に二人は育った。
時計台がランドマークの小さな街、だけどそれは止まったままで街の時間も進まない。
老いゆく者ばかりが残り、ダリアとドリーは歳を重ねず生きている。
星は回転やめもせず、無邪気に季節を繰り返す、大人になるを赦せないまま、それでも二人は子供でいたい。
叶わぬ願いと知ってるつもりを素知らぬふりで。
時計台が印の街の、止まったままの時計は10時10分、焼けつき、焦げたまんまのその場所は、黄色と黒のテープ囲まれ、誰ひとりも立ち入れない。
ダリアとドリーは街を見下ろす針の向こうに隠れてキスをする。
街を見晴らす時計の塔の円周ぐるりの展望台、終わり近づく小さな街の、時計はもう動かない。
二人はそこで寄り添い合って耳元ささやく。
この時、ずっと過ぎ去らないようにと。
<※続劇……気が向いたら……>