【旧作】止まった時間

shot~ショット~
家に帰っても
出迎える者は無くて
一人見つめたグラス
この小さなBARは
孤独な私を
微笑み迎えてくれる
今の私に甘いお酒は
似合わない
一人になった私は
いつものジンライム
時が経っても
一人が慣れなくて
また通い始めたBAR
この狭い空間が
寂しい私を
包み隠してくれる
透明なジンの光が
微笑む二人を映して
ライムの香りが
孤独を紛らす
また通い始めたBAR
BGMの
聴き慣れない洋楽は
私の過去を知らない
お酒だけの照明が
弱い私を隠す
このBARだけが
孤独になった私を
許してくれる
二人分の思い出
ポッカリ空いた隙間を
埋めてくれるのは
いつものジンライム
【旧作】止まった時間

doll~ドール~
君に僕は似合わないと
分かってる……
人形の様に色白で
人形の様に大きな瞳
愛くるしい僕の恋人
幸せが消えないように
ガラスケースに入れて
ずっとそばに
置きたいと願った
君と僕は続かないと
分かってた……
人形の様に無口で
人形の様に遠くを眺め
その瞳に僕は映らない
幸せな物語は終わり
人形になった君は
ショーウインドウに飾られた
もう話す事さえ
叶わない
もう目を合わす事も
叶わない
プリズムの光を放ち
大勢が見詰めるセルロイド
見詰めたショーウインドウに
自分の姿 反射して
僕は浅いポケットに
手を突っ込んだ
季節は流れ
流行と共に
ディスプレイは変わった
ショーウインドウに
君はもういない
思い出の中の
アンティーク人形を
ガラスケースに閉じ込めて
僕は見つめてる
愛くるしい
君を捜しながら……
