【旧作】止まった時間

etude~エチュード~
氷の雨が
体を突き刺して
痛みに凍えた足では
もう歩けない
貴方の温もりを
知ってしまった時から
弱い女になった
私は冷たく凍る
貴方の思い出と共に―――――
冷たい光りが
心を突き刺して
痛みから逃れようと
部屋に閉じこもる
もう少し
明かりを点けないで
本当の事は見たくない
暗がりに映る貴方の映画
見ていたいから―――――
もう少しだけ……
繋いだ手の温もりを
忘れないように
二人で見つめた火を
消さないように
私を氷の中に閉じ込めて―――――
氷になった私に触れたら
すぐに砕け散るだろう
温もりは氷を溶かし
私は
消えて無くなるだろう
今は
そっと閉じ込めていて
冷たさに慣れるまで―――――
もう少しだけ……
【旧作】止まった時間

area~エリア~
あの日
君が雨に濡れてた日
僕は持っていた傘を
差し出す事が
出来なかった
ずぶ濡れの君を
遠くから見つめて
僕も一緒に
ずぶ濡れになった
泣き顔を隠すには
ちょうどいい雨
今の僕には
ちょうど……
お似合いの雨
あの日
君が彼氏にフラれた日
僕の小さな傘では
君を包む事が
出来なかった
ずぶ濡れの君を
遠くから見つめて
唇噛み締め
ずぶ濡れた
何やってるんだろって
ちょうどいい雨
情けなくって
ちょうど……
お似合いの雨
友達って言う
エリアの中で
君に恋心を抱いた僕は
親友になれなくて
友達って言う
エリアの中で
僕は君の彼氏には
なれなかった
君が雨に濡れてた日
あの日から
二度と会う事は
無くなった
雨と共に空へ消えた君
晴れ上がった空に
君の笑顔を映して
今日も雲は流れる
あの日から僕は
ずぶ濡れた
ままで……
日々飽和
身を包む湿気
湯に浸かり流す湿気
ソープの香り湿気った心
潤う
身を包む湯気
風に当たり流す湯気
乾いたタオル湿気った心
拭う
身を包む乾き
酒に浸り流す渇き
ビールを煽り湿気った心
潤う
身を包む安らぎ
布団を被り流す眠気
夢に包まれ湿気った世
拭う