思い出の花 -72ページ目

ラムネ


碧く透き通る空と海
真夏に現れる
私だけのビーチ

イルカが気泡を浮かべ
爽やかな風が吹き
安らぎの中に浸る
密かなビーチ

熱と音が反響する日に
逃避行した私は
静かなさざ波に
ココロ浮かべた―――

蝉声が大気を揺らし
緩やかな風が吹き
熱く息詰まる空と町
真夏の清涼
ラムネは氷水に浸る

炭酸の気泡を眺め
爽やかな味を楽しむ
密かな安らぎ

暑くて嫌になる日に
ビー玉覗き
私だけのビーチで
ココロ浮かべた―――

青い鳥


都会に憧れたのは
夢を掴む為

高層ビル建ち並ぶ森に
青い鳥を探し入れば
右も左も分からず迷い彷徨う
ここは魔女の住む森

晴れ渡る光化学スモークの空の下
緑に囲まれた人工公園で
飛行機のさえずり聞きながら
菓子パンを食し
魔法に架かった私は
たるむ

夢も忘れ
冷たいコンクリートの部屋で
息の詰まる想い
誰もが気に留めぬ私を
電柱に止まるカラスが
監視する

魔法が解ければ褪せた色
都会には黒い鳥しか居なかった
十三日に脱走決めた
田舎に帰る腹決めた

故郷に帰れば
きっと鬼ババが
温かい飯を食わせてくれる
昔よく見た夕焼け空を
田舎カラスは きっと
知らん顔して飛んでるだろうよ

みちのく本線


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待ち侘びて
待ち侘びて
今年最初の蝉の声
みちのくに
ようよう夏が訪れた
照り付く陽射しに
望む山々深緑に
渡る線路焼けて
陽炎に景色が歪む
草木のトンネル
故郷へと続く道
列車は夏を駆け抜ける

待ち侘びて
待ち侘びて
今年最初の祭り稽古
祭り囃子が熱気を伝え
額に汗が輝ける
北の祭りは勇壮に
蝉鳴く声と翔けてゆく

祭りが終われば
夏の終着
上り列車で見る夕陽
望む山々 橙に
紅葉想い暮れる夏
線香花火の陽は落ちて
次の始発を待ち侘びる