思い出の花 -58ページ目

etude~エチュード~


思い出の花-t.jpg


氷の雨が
体を突き刺して
痛みに凍えた足では
もう歩けない

貴方の温もりを
知ってしまった時から
弱い女になった
私は冷たく凍る
貴方の思い出と共に―――――

冷たい光りが
心を突き刺して
痛みから逃れようと
部屋に閉じこもる

もう少し
明かりを点けないで
本当の事は見たくない
暗がりに映る貴方の映画
見ていたいから―――――
もう少しだけ……

繋いだ手の温もりを
忘れないように
二人で見詰めた火を
消さないように
私を氷の中に閉じ込めて―――――

氷になった私に触れたら
すぐに砕け散るだろう
温もりは氷を溶かし
私は
消えて無くなるだろう

今は
そっと閉じ込めていて
冷たさに慣れるまで―――――
もう少しだけ……

area~エリア~


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あの日
君が雨に濡れてた日
僕は持っていた傘を
差し出す事が
出来なかった

ずぶ濡れの君を
遠くから見詰めて
僕も一緒に
ずぶ濡れになった

泣き顔を隠すには
ちょうどいい雨
今の僕には
ちょうど……
お似合いの雨

あの日
君が彼氏にフラれた日
僕の小さな傘では
君を包む事が
出来なかった

ずぶ濡れの君を
遠くから見詰めて
唇噛み締め
ずぶ濡れた

何やってるんだろって
ちょうどいい雨
情けなくって
ちょうど……
お似合いの雨

友達って言う
エリアの中で
君に恋心を抱いた僕は
親友に成れなくて
友達って言う
エリアの中で
僕は君の彼氏には
成れなかった

君が雨に濡れてた日
あの日から
二度と会う事は
無くなった
雨と共に空へ消えた君

晴れ上がった空に
君の笑顔を映して
今日も雲は流れる

あの日から僕は
ずぶ濡れた
ままで……

箱根駅伝


残り1Kmで限界点
襷《たすき》を掛け
下った坂道
足は棒になり
目も眩む

上がらぬ足を
無理に上げるのは
襷を繋いだ友の為
眩む目を
カッと見開くのは
襷を待つ友の為
気持ちが
限界を越え走らせる

残り1Kmで限界点
期待を背負い
下った坂道
足に痛みが走り
心が眩む

痛みを堪え走るのは
先輩の想いを継いだ為
眩む心を
ギュッとさせるのは
後輩に志を繋ぐ為
襷が
限界を越え走らせる

友と一緒に走るのも
今日で最後
四年間の全ては
この一瞬を駆ける

残り1Kmで限界点
それでも
走り続けるのは
重い襷を受け継いだ為

みんなの想いが
僕を走らせる