思い出の花 -57ページ目

replica~レプリカ~


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“ただいま”の
言葉に
返る言葉は無くて
暗い部屋に
明かりを点けても
静まり返った暗い部屋

誰も居ない部屋は
空気が冷たくて
一人食事に
作った鍋も
虚しい空気は冷たい

昔 二人ままごとして
夢を語ってたね
理想の家庭だと思ってた風が吹けば飛ばされて
雨が降れば傘も無くて―――
暮れかけた空に
“またね”の
言葉残して
ままごと遊びは終わる

“お帰り”と
言葉は返らない
“美味しい?”の
言葉も聞こえない
ただ……
部屋に残った二つの
箸と茶碗

温かい部屋は
あの日過ごした……
幼いままごとの夢

林檎りんごリンゴ


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キラキラ窓から射す光
冷たい部屋に
温もりそそぐ
寒い朝はアップルティーで
体を温めましょう
憂鬱な朝は
林檎の香りで
ハートを温めましょう

午後にはアップルパイを
焼きましょうか?
焼き林檎はいかが?
林檎ジャムも作りましょう

もう青森では
雪が降ったそうです
林檎と一緒に
便りが届きました

お一つ林檎の皮を
剥きましょうか?
遠慮なさらずに―――

今 紅茶のお代わり
入れますね

doll~ドール~


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君に僕は似合わないと
分かってる……

人形の様に色白で
人形の様に大きな瞳
愛くるしい僕の恋人

幸せが消えないように
ガラスケースに入れて
ずっとそばに
置きたいと願った

君と僕は続かないと
分かってた……

人形の様に無口で
人形の様に遠くを眺め
その瞳に僕は映らない

幸せな物語は終わり
人形になった君は
ショーウインドウに飾られた

もう話す事さえ
叶わない
もう目を合わす事も
叶わない
プリズムの光を放ち
大勢が見詰めるセルロイド

見詰めたショーウインドウに
自分の姿反射して
僕は浅いポケットに
手を突っ込んだ

季節は流れ
流行と共に
ディスプレイは変わった
ショーウインドウに
君はもういない

思い出の中の
アンティーク人形を
ガラスケースに閉じ込めて
僕は見詰めてる
愛くるしい
君を捜しながら……