連詩
『梅雨空』
~梅雨入り~
空が潤む
散った花を想い
色が霞む
あの日を想い返せば
街に掛かった白いフィルター
じき窓に映る景色は
雨に滲む
繰り返す湿った日常
窓に映る潤んだ素顔
空が晴れず霞んだ恋愛
この雲が消える頃
鮮やかな花は
咲くのだろうか
この霧が晴れる頃
曇った視界は
開くのだろうか
空が潤む
新たな花を咲かそうと
色が霞む
あの日を忘れる為に
この雨が止む頃
爽やかな風が窓を
吹き抜けるのだろうか
~梅雨明け~
葉は青く
花は赤く
今なお変わらず
モノクロの中にある
透明な想い
空は青く
灯は赤く
今なお変わらず
海の底に沈む
透明な愛
月は青く
日は赤く
今なお変わらず
大切な思い出に咲く
透明な明日花
焼き魚
太陽のグリルの下
浜辺で並ぶ魚達
食べ頃は
とうに過ぎてる
焼け焦げた身に
苦い思いを
するのかな
火傷は承知の上
浜辺で狙うカモメ達
魚なら何でも食べる
訳じゃない
ヤバ過ぎた河豚は
ぽつり浜辺で
干からびるのかな
鯛や平目は
滅多にいないが
旬な魚が集まる浜辺
今夜のおかずを
釣りに行こうか
夕陽の赤外線の下
浜辺を去った魚達
今頃は
誰かが食べてる
担いだクーラーボックスの軽さが
じわり骨身に
染みるのかな
田螺~たにし~
ヤドカリの様には
出歩かない
他人と交わるのも下手
傷付かないように
いつも警戒してる
石にへばりついて
先っぽ尖んがらせて
小ちゃくってさ
だけど本当は
穏やかで純朴な奴なんだ
シジミの様には
人気が無い
自分を魅せるのも下手
近くに居るのに
誰も気付かない
意地にしがみついて
端っこ混がらせて
動けなくってさ
だけど本当は
藻の中で安心なはずなんだ
清らかな水を好み
穏やかな日を望み
煌らかな堰は澱み
石にへばりついて
ぐるっと蓋されて
見なくなってさ
だけど本当は
思い出の中で
童心の小川に潜んでるのさ