思い出の花 -30ページ目

木漏れ日


山が大きく膨らんで
強そうになったよ

空を見上げたら
木の大きな手が邪魔して
お日様を隠した

木の下を通ったら
葉っぱの大きな帽子が
日差しを遮って
優しい風が頬を
撫でてくれた

クローバーの上に座ったら
大きな緑が優しくて
なんだか眠くなったよ

取っとこ


小さな口一杯に
頬張り膨らんだ

大好物で胸が膨らみ
楽しみで夢が膨らみ
欲張って腹も膨らんだ

輝きに膨らんだ芽
太陽の温もり肌で感じ
駆け登る道
 扉を開けて


小さな口一杯に
美味しさ広がった

大好物の噂が広がり
楽しみの時が広がり
欲張って種が散らばった

喜びに広がった花
太陽の微笑み瞳に映し
駆け巡る夏
 風に流れて


夏に見つけた光の雫は
枕元に そっと忍ばせ
夢の中へ

後で味わう
 思い出の光る種

鍾乳石


屋根から落ちる雨垂れが
後に小さな穴を造る
窪みを知るのは
家に住む者だけかな

天井から滲んだ地下水が
後に太い柱を造る
鍾乳石を知るのは
洞窟覗く者だけかな

弱い雫の連なりが
跡を残し
軽い雫の連なりが
型を成し
長い時の連なりが
強い意志の柱となった
最早 揺らがぬ想い
造ったのは小さな雫
透明な雫