思い出の花 -127ページ目

『中秋の名月』


夜空にポッカリ穴が開き
うさぎ飛び込み
こころ落した
不思議のアリス

文明世界抜け出して
虫が奏でる演奏会
いつしかアリスも歌タ音

“野にすすき

 うさぎの穴に

 飛び込めば

 こころ捕らわれ

 止まれし時計”

夜空にポッカリ穴が開き
いつしかアリスは
うたた寝

『こころ秋色』


喉が渇いたなら
この柿を食べて下さい

一粒だけ実の成った
一個だけの想いです

辺りの静けさに
フッと気付けば
トンボが紅く
木の葉が紅く
夕陽が紅く
心を描く
一粒だけの紅い実

甘いか 渋いか
貴方の想いで
違いますが
この柿で喉を
潤して下さい

一個しか無い
私の気持ちですから

『走馬灯の夏』


夏の夜に
輝く星空
咲く花火
夏しか見れぬ
煌めく星夜

蚊帳の中
蛍の夜空
焚く門火
夜しか見れぬ
灯の時よ

鳴き響く
晩夏の蛙
夏空偲び
今しか見れぬ
眩い夢よ

儚い光り
思い出光り