思い出の花 -121ページ目

『人形劇』


機械仕掛けの人形は
故障する

同じ動きの繰り返し
歯車が減れば
噛み合わず
油が切れれば
ガタついて
オーバーホール必要で
毎日 機動出来ません

時計仕掛けの人間は
故障する

同じ生活の繰り返し
自分の事では頑張れず
愛の為なら張り切って
オーバーフェンス必要で
毎日 体が保ちません

弱い歯車人間は
それでも働く
そんな絡繰り
袖括り

『否認』


冷蔵庫
野菜室の奥から
出て来た物体

知ってるケド
知らない

原形止どめぬ物体

見てない
気付かない

知らぬふりして
奥に押し込み
ドア閉めた

知らぬ存ぜぬ二日経ち
今日はゴミの日

腹くくって
向き合おうか

『彷徨の煙り』


煙草の煙りと一緒に吐き出す溜め息は
亡国の彼方へ心を連れ去り
アルカロイドの煙りは
光を遮り暗闇の中へと誘う

閉ざした口からは
出口は生まれず
そらした目からは
出口は見えなず
もはや廃人

落ちた煙草の灰が
煙草の形を止どめても
指で摘めば崩れ
辺りに飛び散る

灰皿の上で
ねじれた吸い殻は己
吸い殻で
山になった灰皿は自ず

いっそ煙りに成ってしまいたい