思い出の花 -119ページ目

『夢雪』


陽が落ちて しばらく
布団に入り夢見頃
口笛の演奏 始まり
木々が踊る
夜の舞踏会

夢の中
おぼろに聞いた口笛
障子に映った踊る影
怪しい気配に幼子は
布団被って夢の中

静かな朝は冷え込んで
障子を開ければ銀世界
しょんべん漏らした幼子は
夜の怪しさ吹雪のせいと
夢雪遊び

「いってきます」
と 口笛吹いて
踊り通う学び舎への道

『屋根の上で』


いま私は屋根の上
部屋から飛び出し
眺めてるのは空
何も無い空
見詰めるのは心
空っぽの心

屋根から
眺めてるのは光
太陽の光
見詰めるのは過去
輝いていた過去

屋根から見た空は曇り
太陽を隠した雲
未来が見えず
暗雲立ち込めていた

また殻に戻ろうか

空は果てしないなぁ

『スズメの涙』


町にスズメが居なくなった
山からカラスが降りて来たから

ネズミも見なくなった
人が地下に引いた下水道に
ネズミが地下帝国を築いたのだ

人が山に入り家を作ろうと
木を切った
家を奪われたカラスは
町に降りて電柱を家にした

カラスが来たから
スズメは泊まる場所を失って
いつしか
スズメは山に登り
人が引いた電線に泊まってるのだろう