SPの変更、来ましたね。ベートーヴェンの月光。
すぽると!で演技の欠片が映りました。
使われているのは第一楽章と、第三楽章、ここでステップという感じ。
オーソドックスだけど、高橋選手が滑ると、何か新鮮な美しさを感じます。
私はどちらかと言えば、「彼にしか滑れない」ユニークな選曲を
望む方ですが、定番だからこそ、高橋選手の滑りの良さや、
表現が際立つかもしれません。
時々、いっそSPは課題曲とか、テーマを決めて全選手に
滑らせてみれば、より実力差が明確になるだろうに、などと
夢想しますし…。
それにしても、明日からの四大陸、生観戦予定なので
楽しみが増えました!
その前に、昨年全日本フリーの感想を。
タイミング的に今後書きにくそうなので。
予め神演技という情報は耳にしていたので、
TV観戦でしたが、落ち着いて観られました。
観ながら、走馬灯のように、
バッククロス綺麗、スピードある!
と、高橋選手の演技を最初に観た2002年の
NHK杯を思い浮かべたり、
2度のクワドに、初めて生観戦した2007年の
全日本のフリーのロミオを想起したりで、
演技に打たれつつ、過去をも
回想していました。
高橋選手の演技も、確かにオペラの主人公カニオと
シンクロしたような、怒りや嘆きの感情を演技に
出していて見事でしたが、トランス状態的で
ありながら、何処か一点醒めているというか、
無意識な中にも冷静に、演技を遂行している…。
まさに「冷静と情熱のあいだ」。
そんな印象を持ちました。
名オペラ歌手デル=モナコを思わせる見開いた眼、
その後のジャッジ側への挨拶での冷徹な瞳…。
ああ、また彼はステージを一段昇ったなと思いました。
これが最高という訳ではなく、またこれ以上の演技を
きっとしてくれる、そんな気がします。
ついでに、キスクラで落ちた羽状の布を振る所も、
素に戻った笑みで、ギャップが可愛かったです(笑)。
JOの時から気に入ったプロなものの、
もう少し印象に残る振りがあればと
いう欲求も、今回満たされましたし。
旧採点だとアーティスティック・インプレッションに
6、0が並ぶ様な演技だと思うので、相対的に
もう少しPCSが出てもいいのにと思いましたが
TESと違って10点の上限があり殆どもう上積み
出来ないのですよね…高橋選手の演技は現採点法から
はみ出してしまう部分が多く、ファンは、その部分に
惹かれるのですが。
自分の中の迷いや弱さに抗い、
諦めることなく乗り越え続ける。
彼の演技が彼の生き方そのもので、
純粋な感動を生み続けるのだと思いました。