釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~ -40ページ目

仏教からイスラム経への集団改宗?

ムハンマドをおちょくったということで、イスラム教徒の怒りが燃え盛っているが、ムスリムの冗談の通じなさ具合は並大抵ではないですね。冗談が通じる度合いは宗教の種類で違うのだろうか? それとも、その宗教が信じられている地域の文化状況によるものだろうか?



インドでの仏教滅亡は、1203年に東インドの仏教寺院・ヴィクラマシラー寺院が侵攻してきたイスラム教徒に破壊されて・・・というのが、教科書的な説明であるようだ。

それで、イスラムは仏教の敵、というイメージがあったのだが、ことはそう単純ではないらしい。



『新アジア仏教史01 仏教出現の背景』(佼成出版)の第6章「イスラームとの共存」(By 保坂俊司先生)は、仏教とイスラムの関係を取り上げていて面白い。

『チャチュ・ナーマ』(7世紀のイスラム史料)には、「積極的にムスリム軍に協力する仏教徒たちが登場する」。これがイスラム側の記録だということを割り引いても、仏教は意外にも親イスラム的だった、というのが筆者の見立てだ。



※『チャチュ・ナーマ』

シュードラ出身の仏教徒が王であるラーイ王朝を、バラモン出身のチャチュ王が滅ぼす(622年頃)。チャチュ王が開いたバラモン王朝(630年頃~711)は、イスラム教徒のムハンド・カーシムの侵攻で滅びる(711年)。ラーイ王朝滅亡から、バラモン王朝滅亡までを記録したイスラム文書が『チャチュ・ナーマ』。『大唐西域記』と同時代――7世紀の仏教の姿が記録されている。『チャチュ・ナーマ』を、カタカナでググッても、今日時点で250件しかヒットしなかった。



『チャチュ・ナーマ』によると、8世紀にイスラム教のムハンド・カーシムが侵攻してきたときに、戦争をしようとするパジャハラ王(ヒンドゥー教)に、仏教僧が集まって「私たち仏教徒は殺生は許されない」といって降伏を勧める意見書を出す。それが受け入れられないと、仏教僧たちは「勝手に使者をイスラーム軍に送り」、「我々は貴方方に刃向かうものではありません」と伝えて、城門を開いて、イスラーム軍を迎え入れたと。



さらに、こんな記述もある。

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『チャチュ・ナーマ』にはイスラーム教へと仏教徒が集団改宗した事例が取り上げられている。



その町の長老的存在の仏教僧バンルカル・サーマニーが率先して(ブッダの)偶像寺院の中にモスクを建てて、イスラームの祈りを捧げた。そして、イマームの指示で宗教的な行いがなされた。

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この『チャチュ・ナーマ』という文献を初めて知った。

8世紀段階で、仏教とヒンズー教はすでに対立的な関係にあって、反ヒンドゥーの役割をイスラムに奪われたことが、仏教衰退の一因だと保坂俊司は書いている。



『チャチュ・ナーマ』も含めて、くわしいことは保坂俊司先生の『インド仏教はなぜ亡んだのか』に詳しいという。そのうち読もうっと。




インド仏教はなぜ亡んだのか―イスラム史料からの考察 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~  




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日中関係が哀しい・・・

中国に住んでいる日本人と話したら、

明日の16日(日)と18日(火)に

どのぐらいデモが盛り上がるか、心配していた。

報道されない小さな嫌がらせ・・・日本人の家の前に

生ゴミが置いてあるとか、も結構あると言っていた。



日本は中国のお経のおかげで仏教を知ることができたのだし、

最澄も空海も道元もみんな中国に留学したのだし、

禅は中国で生まれたのだし、

仏教ファンなら、中国への敬意と感謝の念が

あるのではないでしょうか。


それがこんなふうに

どうしようもない揉め事を延々やっているとは

哀しいとしか言いようがないなあ・・・。


おまえら、いったい何を学んだんだ、と

お釈迦さまも草葉の陰でタメ息をついていることでしょうよ。



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近江路の神仏展と、洋食屋のラーメン(三井記念美術館)

いま、日本橋の三井記念美術館で、琵琶湖周辺のお寺の仏像・仏画展をやっています。

わたくしも近々行くつもりだけど、東京で近江の神仏がこれだけ見られる機会は珍しいそうです。


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「琵琶湖をめぐる 近江路の神と仏 名宝展」

三井記念美術館 201298日~1125

http://www.mitsui-museum.jp/


(美術館HPのコピペ)

近江国一国をおさめる滋賀県は、現在の京都府、福井県、岐阜県、三重県に隣接し、日本一大きな湖・琵琶湖を中心に、その周囲を鈴鹿、伊吹、比良山系などの山並みが連なっています。そして、古くから交通の要衝の地であり、宗教を基盤にした文化が開かれていました。この展覧会は、琵琶湖をめぐる近江の古社寺に伝えられた秘仏、名宝を一堂に展示する、東京で開催される初めての大展覧会です。延暦寺、園城寺(三井寺)、石山寺他、42の古社寺から、仏像、神像、仏画、垂迹画、絵巻物、経巻、工芸品など、国宝6点、重要文化財56点、滋賀県指定文化財21点を含む約100点の名宝が出品されます。近江の豊かな風土と歴史を背景にした「祈りとロマンの世界」に、至極の美術品の数々が誘います。特に絵画は、文化財保護の精神に沿い、会期を3回に分けて、全作品を3回展示替えする贅沢な企画ですので、展示プランに合わせて、再度ご来館いただきたいと存じます。
なお、本展覧会は、東京の三井記念美術館だけで開催するもので巡回しませんので、この機会に是非ご覧いただきたいと思います。


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仏画が全部入れかえだったら3回行かなくちゃいけないじゃない。

困りました。



釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~


近くでご飯を食べる場合、

有名な「たいめいけん」がすぐ近くにありますね。

観光客はオムライスばかり食べるけど、ぜひラーメンを食べてみて!

洋食屋なのに、ラーメンがあまりにも美味しいのであります。


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