折角だから「がん」を楽しもう -6ページ目
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ベッド空き待ち

 17日、18日にCT等の検査を経て、現在化学療法第2クール実施のための入院待ちです。
 第1クールの時も2週間近く待たされたので、いつになることやら・・・

 20日(土)は、長男(中2)の運動会が予定されていましたが、台風接近で21日(日)に順延され、小雨が時々降るなかで始めたものの、午後の部の開始早々に土砂降りとなり、中止。残りの競技は24日(水)に再順延となってしまいました。療養中の身の特権で、明日を楽しみにしています。(病院からお呼びがなければいいのですが・・・)もっとも、知り合いのお母さん達から「会社は?」の質問にどう答えるか、妻と口裏を合わせておかないと!

 第1クールでは、嘔吐、下痢等、重篤な副作用がなかったので、次も楽であることを祈っています。元々胃腸は昔から弱いほうで、以前ピロリ菌の除菌のために抗生物質を1週間飲んだ時には、初日から激しい下痢を起こしてしまいましたので、ありがたい限りです。

診断が確定してからの心境

 症状をWebで調べていて「食道がんだな」と認識していたので、内視鏡検査後に強い疑いを告知された時、翌週生検結果を聞いた時も、特段のショックはありませんでした。むしろ、仕事を大手を振って放り出せることの開放感の方が強かったのかもしれません。仕事は従業員500名の会社の人事部長で、新卒・中途採用、教育、制度設計等を含めてストレスが多く、またアルコールもついつい呑まれてしまう方で、うつ病やアルコール依存症の一歩手前であったのかも知れません。

 食道癌は病変が外膜を突き抜け易く、かつ周辺にリンパ腺が密集していることから、転移の可能性が高いようです。また手術も大規模となり合併症を起こし易いため、ちょっと前までは5年生存率は10~20%台だったようです。腫瘍科主治医の説明では50%前後を期待できる旨ですが、そう遠くない将来での「死」を意識せざるを得ない病気であることは事実でしょう。

 まだ40歳代で(来年50歳になる)、子供も中学2年と小学5年。生命保険は入っているけれど・・・定年退職してから妻と悠々自適な生活をしたかった。妻は一人っ子なので、私の両親まで看取らせるのは・・・考えだせばきりがないのですが。

 一方で、明日いきなり死ぬことはなさそうですから、転移が見つかったら、身辺整理をして、子供たちに説教をたれて、お世話になった方々にお礼を申し上げて、と色々できる時間は取れそうです。心の準備ができることは幸せなことだと考えるようにしています。

 これから化学療法の第2クールを経て、切除手術を受けるなかで、色々な医療行為を経験することになります。医療という分野の先端技術を楽しみたいと思っています。ブログのタイトルは決してやせ我慢ではなく、自分が置かれた環境を楽しむ、これまでサラリーマンを27年やってきましたが、ずっとこの気持ちで過ごしてきたつもりです。

治療方針について

 セカンド・オピニオンは受けていない。
 術前化学療法については、JCOG9907 に沿ったものとして理解している。この試験データでは私の3期症状での5年生存率は52%。1/2の確率で5年以内に死亡するということだし、残りの1/2に入り込めたとしてもQOLの劣化は避けられないようだ。ならばいっそ、化学放射線療法に賭けてみるのも一考かとも思いかけたが、ここは運を天に任せて、あまり悩まずに腹を括る事とした。

これまでの経緯-5

8月26日に退院。点滴から開放されて気がついたのは、倦怠感、体力の減退。入院中は緊張していて気がつかなかったようだ。自宅で入浴後、ゴロゴロするが、食欲もない。

8月27日 自宅の周りを歩いてみるが、ふらつき、本調子には程遠い。抗がん剤に体が相当苛められていたことを実感する。

8月29日 朝から微熱。夜には38℃。

8月30日 昼に39℃を越えたため、急遽救急外来に。解熱剤座薬、抗生物質点滴。X線、採血、血液培養検査のための採血。白血球が15,600。肺に影は認められず。
帰宅時には熱は平熱に。以降、9月4日まで毎日通院し、抗生物質の点滴。血倍で感染は検出できず。

9月4日の問診時に食欲不振が継続していることを訴え、栄養補助飲料(エンシュア・リキッド250ml)を処方してもらう。

9月9日 腫瘍科主治医

 嚥下障害が改善していないことを報告。「CT検査等を実施し、抗がん剤投与の効果が認められない場合には、第2クールの実施を取りやめ、切除手術を実施しましょう」

9月16日、17日 採血、造影剤CT、X線TV透視(バリウム)後に、腫瘍科主治医。「前回検査時に比較し、病変の拡大は認められず、抗がん剤投与の効果ありと判断する。当初予定どおり、22日以降に第2クールを実施しましょう」

これまでの経緯-4

8月20日 10:30 入院

 午後より、基礎輸液)、ビタミン製剤、電解質輸液等の点滴を開始。

8月21日 入院2日目
 
 午前より、5-FUの点滴開始。(24時間 これと並行して、午後よりシスプラチン(2時間)、副作用の抑制薬の点滴が始まる。

8月22日 入院3日目

 5-FUを継続。 特段の副作用は感じられない。午後からしゃっくりが断続的にでる。

8月23日 入院4日目

 5-FUを継続。体重が入院時より1Kg以上増加したため、利尿剤を投薬。しゃっくりは止まった。

8月24日 入院5日目

 5-FUを継続。昨日より便秘。就寝時に下剤を服用。

8月25日 入院6日目

 5-FUを継続。便秘解消。採血し、腎機能は政情範囲。翌日退院許可。

8月26日 入院7日目

 10時過ぎ、前日からの5-FUの点滴終了。点滴していた静脈が硬化し周辺が腫れ痛む。湿布してもらって退院。
 入院期間を通じて顕著な副作用がなく、いささか拍子抜け。休薬期間中をどう過ごすか?子供の夏休み期間中にディズニーランドにでも行こうか?

これまでの経緯-3

8月6日 大学附属病院

 ・採血、心電図、肺活量、造影剤CT撮影

8月7日 大学附属病院

 ・X線TV透視撮影(バリウム)

 ・外科部長問診 「病変は食道外膜を突き抜けている。周辺のリンパ節数個が腫れている。肺、心臓の機能に異常はない。肝臓など離れた臓器への転移は認められない。(T3N1M0-3期) この状態なら切除手術により根治を期待できる。ただし、最近の研究で手術前に化学療法を実施したほうが、術後の転移が少ないというデータがあるため、この方針での治療を行いたい。担当医より説明させる。」

 ・腫瘍科医師 「化学療法(抗がん剤)を担当する。2種類の抗がん剤(5-FUとシスプラチン)を5日間投与し3週間休薬する治療を2クール行う。投薬期間中は1週間程度の入院が必要。副作用として食欲不振、嘔吐、口内炎、皮膚炎、腎機能障害等の恐れがあるが、予防薬を並行して投薬する。」

 上記治療方針を承諾して、入院のベッド待ちに入る。

これまでの経緯-2

7月23日 内視鏡検査を受診。

 検査後、医師より「食道の胸部に長さ5cm程度の病変がある。食道がんの強い疑いがある。組織を採ったので、生検結果を翌週知らせる。」

 予想はしていたので、「やはり」という気持ち。医師(慈恵医大の講師の女医さん)の「痛かったでしょう?」が沁みた。

7月30日 生検結果を受領。

 「悪性でした。紹介状を書くので、専門医療機関に受診してください。」

7月31日 大学附属病院外科外来

 昨日のクリニック医師は、県立ガンセンターを第1候補に推奨したが、自宅からの通院に1時間半程を要するため、食道がんの手術実績が年間30例弱の大学附属病院で受診することにした。施設が新しく、また立地環境(海が見える)も考慮した。

 受付から3時間待たされて、外科部長が問診。持参した紹介状添付の内視鏡画像、生検データから、「食道胸部扁平上皮癌」と告知された。翌週の精密検査を予約。

これまでの経緯-1

7月16日 勤務先近隣の内科クリニックを受診。

 今年(2008年)に入ってから、胸の痛みを時々感じた。また、4月位から背中の凝りがひどく、湿布薬を貼っていたが改善しない。1ヶ月位前から食事時に胸に閊えることが多くなった。
 祖父、父のいずれも心筋梗塞に罹患しているため、胸の痛みは虚血性疾患を疑っていたが、症状が顕著とならず受診はしなかった。
 10年程前に勤務先の検診で、胃カメラでピロリ菌の感染を指摘され、これの除菌後、3年間は年1回、胃カメラを受診していた。勤務先の検診で胃カメラを受診できなくなったため、以降X線撮影もサボっていた。
 嚥下(呑み込み)障害が顕著となり、上記症状をWebで調べ、食道がんの疑いを強く持ったため、今回受診することとした。

 翌週の内視鏡検査を予約。

 因みに、
 ・年齢49歳
 ・タバコ:30本/日
 ・アルコール:缶ビール3本/日 深酒すること多々あり
で、食道がんの発生要因は十分。ただし、血縁者にがんの罹患者はいない。
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