Life in the Lone Star State -138ページ目

地球温暖化対策推進法

鳩山総理が昨日、アメリカで開かれている国連の気候変動に関する首脳会合で地球温暖化問題について演説しました。温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減することを目指すそうです。

具体的に何をどれぐらい減らせばこの数値目標を達成することができるのかよく分かりませんが、4分の1削減というのは一見して非常に高いハードルだという気がします。京都議定書では6%削減という話でしたから。

では、この数値目標を達成するために、日本では、現在どんな法規制を設けているのでしょうか。現時点でこの問題に関する立法としては、「地球温暖化対策の推進に関する法律」というものがあります。今まで読んだことがなかったので条文をざっと読んでみました。以下、ホントに大まかな概略。

(立法経緯)
・京都議定書の批准を受けて制定された。
・6%の削減目標の達成に向けて国、地方公共団体、事業者、国民が一体となって地球温暖化対策に取組むための枠組みを定める。

(内容)
・事業者及び個人に対して温室効果ガスの排出を強制的に制限する規定はなし。
・国及び地方公共団体は、温室効果ガスの排出を抑制する措置を取る義務あり。
・事業者、個人に対しては、国及び地方公共団体の実施する施策への協力義務。
・個人に対しても日常生活で温室効果ガス排出を減らす努力義務。
・事業者の温室効果ガスの排出量の報告義務。
・その他諸手続き規定

要は基本法ということですね。基本法というのは、政策方針に近いもので、純粋な意味での法律とは少し性格が違います。純粋な意味での法律というのは、それが適用される主体に対して強制力を背景に遵守させる規則のことで、「強制力」があるという点が重要な要素です。

例えば、犯罪を犯した場合は強制的に刑罰に服させられますし、他人の権利を侵害した場合には、強制的に損害賠償義務を負わされます。

その点、この法律は、温室効果ガスの排出に関しては、事業者や国民に対しては努力義務以上の義務は課していません。努力義務というのは、理論的には努力することを怠った場合には法律違反になりますが、努力を怠ったかどうかなんていうものは、客観的に判定するのは難しい問題で、事実上、努力義務違反に基づき法律違反の責任を問われるというケースはほとんどないと言っていいと思います。実際、努力義務に違反した場合の罰則規定もありませんので、事実上法としての強制力はないということになります。

このような基本法しかまだないというのが現状で、ここから25%の削減目標に到達するというのは果てしなく遠い道のりのような気がします。あと10年で間に合うんでしょうか。環境税の導入などは既に検討されているようですが、温室効果ガスの排出量を減らすためには金銭的な負担だけでは不十分で、今我々が使用している製品が使えなくなったり、事業者が現在生産している生産量を維持できなくなったりと、色々な影響があるんでしょうね。

2020年までに電気自動車が実用化されて、ガソリンカーが全て電気自動車に切り替わったら、この25%の目標って達成できるんでしょうかね。電気自動車の実用化はあと10年程度で可能だという話を以前NHKのプロフェッショナルでやってましたけど。

鳩山政権、温室効果ガスの25%削減とか、子供手当てとか、高速道路の無料化とか、大きな公約を色々と掲げていますが、feasibility(実行可能性)についてはどこまで検討してるんでしょうね。実現できればどれも素晴らしいことですが、その代償として日本国民が背負うことになる負担が何なのか、それも併せて説明してもらわないとフェアではない気がします。