タイの有名レストランはボートハウス | nezumiippiki

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アジア再発見Blog

久し振りにプーケットに行ってきた。

行先はカタビーチ

 

ビーチ

昔からタイまたはプーケットで一番有名なレストランというと、勿論「ボートハウス」と分かっているのは欧米のツーリスト。その歴史、かれこれ30年近くになるらしいが、日本ではその知名度はかなり低い。

筆者、20年ほど前からボートハウスの名を度々聞くようになり、プーケットには度々訪れていながら、何故かボートハウスに行くチャンスが無かった。というか、ボートハウスの名を知る以前はその前を素通りしていた。そのボートハウス、場所はカタビーチに面してある。

 

実はボートハウスがホテルもやっている、と知ったのは数年前。それくらい、ボートハウスと言えば、ワインセラーで有名なレストラン。これは世界的なレベルで有名なのだが、日本ではあまり知られていない。

日本人が知っているボートハウスはサムイ島にあるボートの形をしたホテル、とは言っても今時の人はそれも知らないかも。

 

 

そのボートハウスが2017年、半年ほどクローズし大改装、そして昨年11月に再オープンした、とプーケットの友人から知らされた。その知人、前より良いという。であれば、時間的に余裕の出来たこの6月、思い切ってボートハウスを体験しようと、久々のプーケットと相成った次第。

時期的に悪いのは先刻承知。

目的はレストランとワインだ!

 

 

カタビーチの美しさはプーケットでも随一。

今時のプーケットを知る人にはオンザビーチのリゾートホテルをあまりご存知ないと思うが、昔からプーケットでリゾートホテルを運営している会社は皆良い場所を取っていて、その中のカタビーチは南北に伸びた1.4Kmの幅広のビーチで、その全体の4分の1程の所にオンザビーチのホテルが4-5軒あり、その一つが「ボートハウス」。

 

ハイシーズンはご覧のように美しいビーチを目の前にして食事を楽しむことが出来る。

(因みに今回持参したカメラの調子がすこぶる悪く、天気も悪いこともあり、一部の写真をホテル側に提供をお願いした。)

 

筆者が訪れたのは6月の中旬で残念なことに本格的な雨季が始まったころで、数日激しい嵐が直撃した日に当たってしまった。とは言っても、日本のように降り続くわけでもないので、翌朝、雲を見ながら小一時間の散歩を楽しんだ。

 

同じように、折角来たのだからと考えるツーリスト達が雨の降らぬ間の一時をビーチで遊んでいる。

 

時より、海からのキツイ風が吹き付け始めた。

そろそろ雨が来る。

 

サーファーは、この荒い波を待っていました、とばかりにサーフィンを楽しんでいる。

6月から10月頃まではアンダマン海からの季節風でプーケットの西海岸の波はどこも高く、ほぼ遊泳禁止の海になる。しかし、高い波が来なければ出来ないスポーツ、サーフィンにとってはベストシーズンになる。その中で、カタビーチの波がサーファーにとってはベストらしく、昔からこの時期に世界からサーファーが集まってくる。

 

ホテル選び

ボートハウスの予約は直接行った。

色々なホテル予約サイトもあるが、出来れば直接の方が融通が利くしサービスも良くなる、とまことしやかな話もあるし、特に空港ホテル間の送迎をホテルの車でお願いできる。

プーケットの場合、そもそもタクシー代が高く、どうせ高いならサービスがよく綺麗な車で安全な方が良い。ルームレートも予約サイトの値段と特段変わるわけでもない。

 

タイ航空の羽田発10:35でバンコク経由プーケット着18:05。

数年前から工事をしているのは見ていたが、久々のプーケットは最近ようやく完成した新国際線ターミナルビルで入国手続。

随分立派になっていた。

 

空港からホテルへ約1時間半。

途中、工事中の立体交差があり、出来上がった立体交差の幾つかを過ぎ、それでも渋滞があり、抜け道を通り抜けて、噂で聞いていた2時間はかからなかった。

 

プーケットにはツーリストが多いから必然的にホテルも多く、しかし、ビーチ面積には限りがあるので、新たなホテルはどんどんビーチから離れる結果になる。ビーチに歩いていくには距離があり過ぎる場所とか、崖の上や山の斜面にへばり付くようなホテルだ。普通で考えればビーチリゾートとして選ばれそうもない場所だが、そこは奇抜なデザインとかコストパフォーマンスで見せつけて集客を図ることになる。

客としては、それぞれの理由でホテル選びをするのだが、普通の人がビーチリゾートとしてイメージする場所は、やはりオンザビーチだろうと思う。筆者、普通の人なので、ビーチリゾートに来てビーチから離れた所のホテルに泊まったことが無い。その意味で、ボートハウスはイメージ通りのビーチリゾートホテルである。

 

因みに、Booking.comで見るとカタビーチエリアには218軒の宿泊施設がある。しかし、ビーチに面しているホテルはわずか数軒。

 

ボートハウスはいわゆるブティックホテルである。

これも筆者の好みに合う。

 

部屋数は39室。ほどほどのサイズである。

その改装前を知らないが、筆者はホテルとして聞いたことが無かったので、それほどの宿ではなかったか、レストランの方が有名過ぎたかだ。

部屋のカテゴリーは9つもあるので内容の違いがよく分からないが、筆者が泊まった部屋は確か下から4番目のシービューテラス。

ルームデザインもアメニティーも申し分ない。

 

 

この手のホテル、サービスが行き届いている分、男一人で泊まるには勿体無い。

 

ボートハウスの歴史に興味を持ったので調べてみた。

1988年レストランから始まり、3年後ホテルビジネスも始める。

世界的な名声を得た初代のオーナー、モムトリはしかし2010年、同じくプーケットで同じくホテル経営をしているトリサラで知られるモンタラ社に売却する。

プーケットに長年住みメディアの仕事をしている筆者の友人が言うには、その後、ボートハウスの料理のレベルが徐々に味を落としていったそうなのだ。当然一般からの評判も今一になってきたのかもしれない。

それが理由かどうか定かではないが、2016年12月モンタラ社はHPLに売却。

HPLはボートハウスを彼らが持つブティックコレクションの一つに加える。

http://www.hplboutiquecollection.com/

HPLのブティックコレクションを見ると、マレーシアに3軒、どれも皆評価の高いブティックホテルだ。

その中でも特にランカウィのカサデルマールは、知る人ぞ知る人気のホテルで、トリップアドバイザーの2018年の全マレーシアホテルランキングで第3位になっている。ブティックホテルでは当然第1位である。

よって、HPLによる今後のボートハウスの再評価に期待が持てるということ。

 

そのHPLが半年をかけた大改装を行い2017年11月1日に再オープンさせたわけだが、外観は変えていない。これはフランスの有名なデザイナーによるデザインで、カタビーチのアイコンにもなっているということから外から見ると以前のままということになる。

 

 

ウエルカムドリンク & ワインセラー

ホテルに到着し、チェックイン手続をした後はバーに案内された。

ウエルカムドリンクのサービスはバーで行われる。自家製ハーブジュースやハーブティー等をウエルカムドリンクで出すホテルが多いが、バーメニューから選んでください、というわけだ。

おまけにスナックもお洒落に出してくれる。折角なので、ドライマティーニを頂く。

 

バーの隣がワインセラーになっていて、これが世界に名だたるワインセラーだ、とばかりに数々のワインを見せつけている。

 

有名なレストラン

ボートハウスが世界で知られるようになったのは、ワイン専門誌のワインスペクテーターが選ぶレストランに1995年以来ボートハウスは毎年受賞し続けていることからだ。日本ではワインスペクテーターは英語誌なのであまり知られていないが、ワインとレストランの世界では一大権威であり、食通の世界では規模・内容においてミシェランを越えている。 筆者がこの雑誌を知ったのが20年ほど前で、その時既にボートハウスは受賞常連のタイを代表するレストランになっていて、実際その名前を受賞リストで見ている。

その当時、タイの受賞レストランは5-6軒、年と共に増え10年程前から10数軒。因みに日本ではその当時の受賞レストランは、a few で現在ようやく10数軒のレベル。

 

ワインスペクテーターが選ぶレストランは、勿論ワインにピッタリの料理とそのワインセラーの内容。この手のワインセラーになると600-800銘柄は普通で、且つストックが数千本というものになってくる。そして、シェフはワインが美味しく飲める料理をつくり、ソムリエは料理が美味しくなるワインを選ぶ、ということになる。

 

キッチンはオープンキッチン

 

レストランで有名なだけあり、ウォークインゲストが多く、遅いランチ、早いディナーでも賑わい、お客がいる時間帯が長い。

 

どのレストランもご自慢の料理、シグニチャーメニューがある。

ボートハウスの場合は、タイ料理の代表的なカレー料理、マトンのマッサマンカレー。

マッサマンは、その辺で食べるグリーンカレーやレッドカレーと違い、日本のカレー専門店なら出してもらえるようなカレーに近いので、日本人には親しみのもてるカレー料理と思う。

筆者の好みはローカルに近いレベルのスパイスの効いたマッサマン。

一般的に、ツーリスメインのタイ料理レストランはスパイスが効いていない。特に欧米人は辛みに弱い。

ために、普段ローカルレベルのタイ料理を食べている人には、物足りなく、美味しくない、と思われることが多い。そこで筆者、ツーリストの多いタイ料理レストランで食べる時は、ローカルレベルで、と頼むことにしている。それでも加減してくれるので、結局丁度良い辛さになる。

因みに、南タイの辛さは有名でローカルの人しか行かないようなレストランだと、日本でいう激辛を超えるので体験としては面白く、辛さに自信のある方は是非体験されると良い。

 

タイワイン

タイの一流レストランでは当然ながらタイワインも提供している。

タイでワイン???と疑問に思う人もいるが、それはワインを知らない人。

日本で美味しいワインが出来る時代、タイでも立派なワインを作っている。

南に緯度する国々のワインを新緯度ワインという。その中で、タイのモンスーンバレーやグランモンテのレベルは名の通ったワイン生産国の中級レベルのワインに負けていない。日本のレストランで言えば4,000~6,000円レベルだろうか。

ボートハウスを紹介してくれた友人と一緒に到着日の夕食を取ったが、その彼が特に薦めてくれたのが、前菜にはロゼのサクナ。

メインディッシュのマッサマンにはグランモンテのヘリテッジ・シラー。

タイのワインは、当然のごとく、タイ料理と相性は良い。

筆者が写したグランモンテのワインの写真がことごとく失敗していたので、直接グランモンテ社にメールをし写真をお願いしたら、折り返し会社案内と写真を送ってくれて、その素早い対応に驚いた。、タイに行くときはグランモンテのワイナリー、カオヤイに行こうと思う。

 

翌日、ワインセラーでワインテイスティングに挑戦したが、その時に出てきた赤がやはりグランモンテ・ヘリテッジ・シラー。今回、タイワインではモンスーンバレーの方が美味しいと思っていたが、それは思い込みだったことを認識させられた。 恐らく、タイのソムリエがいる一流レストランでは間違いなくグランモンテは置いているハズ。それも自信を持って。

 

僅か2泊の、あまりのんびりした滞在ではなかったけれど、長年来ようとして実現していなかったボートハウスを体験出来たし、新たなワインの発見も出来たのでかなり満足。

そして、出発直前の朝食はこれも久々のプーケット・ミースア。

朝から美味い物が食せるのは幸せなことだ。