バンコクで自転車 | nezumiippiki

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アジア再発見Blog

 筆者最近、海外で時間が取れる時は自転車で観光を楽しむようにしている。

行動範囲が極端に広がり、裏道だから見えていなかったものが見えるようになり、出張から帰ってくると体重が増えているという状況の改善にもなる。

 

 タイのツアーを自転車で検索すると、市内観光から7-8日を要する長距離など、様々な自転車ツアーがある。

と、これまでは自転車を楽しむのはもっぱらヨーロッパのお客さん達だった。

https://bicyclethailand.com/

 

 ところが、日本も昨今は自転車ブーム、とは言ってもスポーツバイクの類で嗜好性の強いバイクのことだが、実はタイも自転車ブーム。

 2015年の前国王の誕生日には王様の健康回復を願ってタイ全土で60万人、バンコクだけで10万人が自転車で市内を29キロ走ったそうだ。普段我々はバンコクで自転車走行している人を見かけないので、その数に度肝を抜かれた。

 そもそも、チンタラのんびり歩く南国の人が、必死になって自転車を漕ぐ姿をまず想像できなかった。

特にバンコク市内、道路の端がデコボコ・ガタガタ、渋滞で排気ガス充満の道路が多く、自転車にとってはとても危険。

 

バンコク中心街から数十分で田舎道をサイクリング

 2017年の12月、「バンコクの肺」と呼ばれるチャオプラヤ河のプラプラデーンに行ってきた。

自転車が趣味のタイ人の友人がいる。彼、既に5台の自転車を持っているのでバンコクに来たら貸してくれるという。しかし、バンコク周辺で自転車を楽しむ場所など無いではないか、と問うと、「ある!バンコクの街の中心からすぐの所にある!!!」という。それがプラプラデーン。

 

 チャオプラヤ河が大きく蛇行した、半島が島のようになっている。行って見ると成る程「バンコクの肺」とはよく言ったものだ。この島、鬱蒼たるジャングルとマングローブで開発不可のエリア。チャオプラヤ河を渡ること僅か2~3分で到着。ワープでもしたのかと錯覚するかのような環境の違いに驚く。宇宙から見ると市街地との違いは歴然としている。

車が極端に少なく、人々は自転車で移動し、この島に遊びに来る人は自転車持参か貸自転車で島内を散策する。

 

このプラプラデーンの大部分を占めるマングローブのジャングルエリアには、住宅もレストランなどもあるが、地上高1-2メートルの細いコンクリート製の道を進むことになる。これにより満潮や高潮時でも移動が可能になる。そのため、この道をスポーツバイクで颯爽と疾駆することは難しい。よって、この島で自転車といえば、シティーバイクやママチャリの部類になる。

 

 

この島には幾つも貸自転車屋さんがあり、この貸自転車屋さんには百台以上の自転車がお客さんを待っていた。

このプラプラデーンは本来の自然がそのまま残されているので、自転車で走っていてオオトカゲにも出会うし、珍しい鳥にも遭遇する。

週末のみ開催される水上マーケットも楽しそうだ。

 

 

タイの自転車ブームは本物だ!

タイのスポーツバイクのブームは10年程前からで、いわゆる健康ブームが発端。

バンコク市内にも自転車レーンが出来始めたと聞く。

今の所、スポーツバイクに乗る人は経済的には中の上以上の人達。しかし、大型ショッピングモールを覗いてみると、子供向け自転車売り場には多くの自転車が並べられていて、自転車ブームは一過性のものでないことが分かるし、この自転車に乗る子たちが大きくなると、その内の一部は本格的なサイクリストになっていくだろう。

 

 

 

日本のストレスをスワンナプーム空港周回コースで発散!

2018年の7月、週末のバンコクで、例の友人から自転車を借りて「ハッピー&ヘルシー・バイクレーン」を滑走してきた。一般にはスカイレーンと呼ばれている。

これはスワンナプーム空港を一周する自転車専用レーンで一周23.5Km

 

かの知人、朝5時半にホテルに迎えに来る、という。

朝の涼しい時間帯に自転車を漕ごうということだ。

この自転車レーンは自転車専用、空港の周回コースなので完全なフラット。

視界を遮るものも無く、自転車乗り以外誰もいない。

オープンは朝6時、終了は週末20時、平日19時。

皆、朝と夕方に集中し日中は閑散となる。

実際、帰国日13時の機内窓からこのコースを見下ろすと、走っている自転車を見つけられなかった。

日本の夏はタイより暑いが、それでも日本のサイクリストは日中でも自転車を漕いでいる。

だから、日本人は日中このコースを疾走し、タイ人をびっくりさせられる。

 

朝6時半で既に自転車だらけ。

 

この自転車レーンを利用するには無料だが登録は必要。初めての筆者はパスポート持参でまず登録し、ICバンドを受け取る。これにはお金をチャージすることも出来るので、現金なし各施設で飲食が出来るようになっている。

 

 

それにしても、そのバンコクのサイクリストの数に先ず驚く。

バンコクの何処にこれだけのサイクリストがいたのかと驚かされる。

 

レーンは4本あり、左2レーンは初心者女性、親子連れやミニベロ等のマイペースの人達、右端は高速運転のロードバイクが20~50台の塊になって地鳴りを上げて疾走していく。

 

全くストレスのない自転車コースだ。

後ろから煽るように迫る自動車は来ないし、歩く人も走る人もいない。

一方通行なので反対方向から来る自転車もない。

思い思いのスピードで走ることだけに集中できる。

 

気が付くと、日本ではあまり見かけない鳥たちが目に入る。

自転車以外人が立ち入れないエリアなので、結果としてバードウォッチングに適した場所ということか。

 

空港を長方形に囲った自転車レーンなので、航空機の発着を360°の角度からマジマジト見る(写真に収める)ことが出来る。自転車で走りながら、航空機の腹の真下を走り、急上昇していく真横を眺めながら走り、日本では見かけない航空機のマークを見ながら、何処の国の航空会社だろう、とか。

航空機の写真を撮る趣味の人なら絶好の場所に違いない。

 

観光地にはレンタル自転車があるが、このスカイレーンにはレンタル自転車は無い。

本格的に走りたい人は日本からの輪行が良い。

 

自転車を趣味としている人は実に多く、海外に行っても自転車で楽しむ人たちが増えているようだ。

ならば、タイにも是非、と考える。

バンコク市内はお勧めできないが、地方の道はとてもよく整備されており、道幅も広いし、車の数も少なく、自転車には打ってつけの場所だ。

スポーツバイクを思いっきり走らせられる。

観光地に行けば今はレンタルバイクがあるので自転車での観光を楽しめる。